【高橋政明のマックTalk】連載第3回:起動ディスクきりかえ使ってますか?

WWDC2014の衝撃がまだ続いている(笑)札幌の高橋政明です。
Apple社のでデベロッパー契約の条文が変わり、今年はWWDCのセッション内容がデベロッパー以外にも公開されています。
SwiftについてはiBooks Storeで技術資料が無償配布されたため、毎日多くの情報が流れていて勉強が追いつきません。

OS Xの次期バージョン「ヨセミテ」に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか?
「OS X Yosemite」の100万人のベータプログラムでβ版OSを試そうとお考えの方は、ぜひOS Xの「起動ディスク」の仕組みを活用し、安全に新OSを試してください。

まずβ版について説明しましょう。
このβ(ベータ)とは開発段階のステージで二つ目の段階です。
一つ目の段階はα版で、開発途中で形になってきた段階で個々の機能はほぼ完成し他の多くの機能と同時に動かして問題がないかテスト中です。
次のβ版は実際に使われる状態でのテストです。
一般にα版は社内テスト、β版が社外テストなどと言われます。
βテストで見つかった問題に対応が完了すると、最終候補(fc)となります。
最終的なテストをパスするとゴールデンマスター(GM)になり正式に出荷されます。

ヨセミテはWWDCでデモンストレーションできるところまではテストが進んだわけですが、様々なマシンで様々なアプリを動かしてどのような問題があるのかのテストが必要なので、βテストを大規模にやろうと言うわけです。
それにしても100万人とは凄いですね。
Appleも自信があるのでしょうが、完成前のOSであることにはかわりがなく、最悪ある操作の組み合わせでファイルが消える、特定のアプリが使えなくなるなど重大な問題が発生する可能性があります。

開発者はテスト専用のMacやiPhoneを用意してテストします。
仮に再インストールが必要になりデータが全て消えるような事になっても、被害を最小限にするためです。

βテストに参加されるのであれば、普段メインに使っているのとは別のMac、例えば古い機種などを用意されることをおすすめしますが、それができない場合は外部ハードディスクを用意しそちらにインストールしましょう。
外部ディスクが無い場合は、ハードディスクを分割し10.9の環境を残しておくのが安全です。
Macは昔から、ハードディスクをパーティションに分割し、複数のOSバージョンをインストールして簡単に切替えることができました。
物理的にひとつのハードディスクをソフトウェアで複数のハードディスクを内蔵しているようにでき、それぞれに別バージョンのOSを入れ切替えることができるのです。
OS XになりWindowsも切替えることができるブートキャンプも、この仕組みの延長です。

ディスクユーティリティ.app

なおハードディスクの分割はディスクユーティリティ.appを使います。
アプリケーション > ユーティリティ にあります。
作業の前にはバックアップを取ってくださいね。
ハードディスクを分割していない場合は外付けのハードディスクにβ版OSをインストールするのがおすすめです。

外部ディスクまたは分割し空いているパーティションにβ版OSをインストールしてください。

OSの切換えはシステム環境設定の「起動ディスク」で行います。
外付けのハードディスクを接続している場合はそちらに切替えることもできます。
起動ディスクの仕組みは普段使っているのとは別のOSバージョンを使えるので何かと便利です。

起動ディスク
(▲ システム環境設定で起動ディスクを開くとOSの入ったディスクの一覧を表示します。起動するディスクのアイコンをクリックし「再起動…」ボタンをクリックしてください)

とても魅力的なヨセミテですがまだ完成前です。
ご自身の環境やデータはしっかり守った上で、新OSのベータテストを楽しんでください。

※ この記事は、ゲストライターの高橋政明氏(有限会社 快技庵)が執筆したものです。

【著者プロフィール】
〈高橋政明〉
快技庵でiOSアプリを開発する札幌在住の開発者。NPO法人MOSA理事。
1985年にMacintosh 512Kカナバージョンを入手、それからMacのプログラム開発をはじめ今日に至る。
68000からPower PC、PowerPCからインテルと二度のCPU変更を経験したMacプログラマ、現在はiOSの開発が中心です。
Macが登場して三十周年で昔話ネタならたくさんあります(笑)。

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