投稿エッセイ集「ありがとうiPod」 > 作品009

音楽を持って仕事に行こう

株式会社バード電子

誰だって、できれば仕事になんか行きたくないだろう。
もちろん私もそんな一人だ。
だけど、iPodが仕事へ行くための力を貸してくれる。

iPodと出会う前のこと。
社会人になってからというもの、音楽を聴く時間が全くと言っていいほど無くなってしまった。
たまにCDを買っても、開封もしないまま棚に並べるだけになった。
それでもCDをかけることが1日に1回だけあって、それは出勤前の家を出る直前。
出勤前という憂鬱な時間に、お気に入りの音楽を聴き「今日も頑張るぞ!」と自分を鼓舞していたのである。
少し変わった習慣ではあるが、そうでもしないと、とても毎日仕事に行く気がしなかった。

そんなある日、CDプレーヤが壊れてしまい、日課である「朝の音楽」を聴くことが出来なくなってしまった。
CDをかけたいときには、仕方なくパソコンのiTunesを使うことにした。
iTunesの便利さには関心したが、毎朝パソコンを立ち上げてまで音楽を聴く時間はない。
「朝の音楽」が無いために、暗い気分のまま職場へ向かう日々を過ごさなればならなくなった。

仕事が忙しく家にいる時間が少なくなってしまい、外出先でも音楽を聴けるようにMP3プレーヤを買おうと思った。
そのとき出会ったのが、iPodだった。
仕方なく使っていたiTunesの音楽たちが、スルリとiPodに吸い込まれて行く。
早速次の日から、通勤時に音楽を聴いてみることにした。

はじめは、高い買い物だったiPodを持ち歩こと自体に喜びを感じていたが、すぐに価格以上の価値があることに気がついた。
iPodは、かつての日課だった「朝の音楽」のかわりになるなるどころか、それ以上の働きをしてくれたのだ。
私を鼓舞し、職場へ向かう重たい足のあゆみを促してくれた。
iPodから流れ出す音楽が、オペラが始まる前の序曲のように、私の気持ちを盛り上げてくれる。
「今日もやるぞ!」「なにもかも上手くいく!」「おれが主人公だ!」そんな気分にさえなってくる。
終業後に私を癒すケアをすることも、彼は忘れていない。
その最初の日から今日まで、iPodなしで仕事に行ったことは一度も無い。

私は職場のビルに入るまで、時にはオフィスに入るまでイヤホンを外すことができない。
きっと私だけではないだろう。
どうかイヤホンをつけたままタイムカードを押すiPodユーザがいたとしても、行儀が悪いと思わないでほしい。
iPodが、私たちを会社に連れてきてくれているのだから。

株式会社バード電子
作者紹介
著者近影 お名前 Kazemachi
ウェブサイト
自己紹介 Macユーザだったおかげで、比較的早くからiPodユーザになれました。早くiPhoneユーザにもなりたい。
所有するiPod 第5世代iPod 60GB

このページのスポンサー:株式会社バード電子[広告掲載2007年8月23日〜2012年8月22日]


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