投稿エッセイ集「ありがとうiPod」 > 作品011

本当のシンプルとは…?

ダイヤテック株式会社

生まれて初めてアップルの製品と出会ったのは1995年くらい。Performaと呼ばれるコンピューターだった。
当時はまだ、なりたての小学生で、親が大学関係者だったため幸運にもこのパソコンに触ることができたが、まだまだアップルの真髄を感じるような年齢ではない。
Performaで遊んでいた時間はごくわずかで、我が家のパソコンは間もなくWindowsになり、アップルとは縁がない日々が続いた。
中学生になってMDと出会ったが、これがどうも面倒くさい。
コンポを買う金がもったいないのでNet MDなるパソコンで管理できるMDプレイヤーだったが、やたら手間がかかる。
CDをコピーするのにも一苦労だからなかなかディスクが増えず、今思えばとんでもない無駄遣いだ(笑)。

16歳にして久々にアップルとの再会を果たした − そう、iPodとの出会いだ。
iPodには第3世代登場のころ位から目をつけていたが、miniと第4世代の登場が私の心をしっかりとつかんだ。
iPodのシンボルともいえるクリックホイールこそが最強にして最高の操作方法だと確信した。
2005年の元日、やっとのことで登場間もない第4世代のiPodを予約することができた。
数日後、驚くほど綺麗な化粧箱の中から、いかなるジュエリーよりも美しいiPodが白く光りながら姿を現した。
改めて思ったが、ここまでボタンが少ない家電製品は見たことがない。それでいて最高の操作方法を提供してくれる。
iPodを購入するまでの間、自宅のパソコンにiTunesを入れたが、ここで1つ大切なことに気づかされた。
「PCや機械を巧みに扱えること」と「煩わしい操作に耐える能力」はまったく別物なのである。
要は、どんな人にとっても分かりやすくてシンプルな操作に越したことはないということ。
これこそがアップルの真髄であり、もちろんiPodにも共通する“最大のテーマ”ではないだろうか。

iPodが届いた次の日から、ほぼ毎日iPodを持ち歩くようになった。
都会ならともかく、自分はある地方都市にいたのでまだiPodを使っている人はあまり多くはなかったが、それでもiPodの注目度はかなりのものだった。
ほとんどの人に、煩わしさから開放されたい、すべての音楽を持ち歩きたいという気持ちがあることがよく理解できた。
そして、iPod nanoの登場で多くの人の手元にiPodが届くようになり、日本でも一気に音楽を聴くスタイルが変わった。
ウォークマンが登場してから20年以上が過ぎ、ようやく人と音楽の関係が“真の自由”を手に入れたと感じているのは私だけではないだろう。
私はiPodを買いたいという人からときどき相談を受け、また何か分からないことがあれば聞かれることもよくある。
iPod自体が話のネタになることもしばしばだ。
さらに自室にはiPod用スピーカーを置き、MD時代にはできなかった、これまた新しいiPodの一面を満喫している。
数年もたたないうちに、ただ持ち歩くだけではなくて、このような楽しみ方がもっと一般的になるに違いない。

iPodとiTunesにすっかり惚れ込んでしまい、ついに去年の暮れに初めての自分のパソコンとしてMacBookまで買ってしまい、11年ぶりにマッキントッシュに会うことができたが、期待以上に“アップルの真髄”を見せ付けてくれていて、iPodとMacの相互作用というべきなのか、よりアップル製品への愛着が深まっている。
これからも、アップルには人々を魅了し続ける“作品”を作り続けてくれることを期待して止まない。

ダイヤテック株式会社
作者紹介
著者近影 お名前 しろう
ウェブサイト
自己紹介 MDのあまりの使い勝手の悪さに愛想を尽かしてしまい、高校時代にiPodに触れてから一気にアップルファン(信者?)になってしまいました。布教活動もバッチリ行っております(笑)
所有するiPod 第4世代iPod(20GB)、第2世代iPod nano(8GB・黒)

このページのスポンサー:ダイヤテック株式会社[広告掲載2007年9月15日〜2012年9月14日]


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