投稿エッセイ集「ありがとうiPod」 > 作品054

音楽好きになれたのはiPodのおかげ

FMトランスミッターも併用できる、iPod専用カーリモコン。【サン電子】

僕は生まれてから高校を出るまでずっと田舎で育ち、最新家電製品などには疎い生活を送ってきた。
そもそもあまり音楽に興味はなかったが、高校時代に友人から数枚アルバムを借りたことがきっかけで、少し音楽を聴くようになった。
最初のうちは家のコンポで音楽を聴いていたが、次第に音楽を外でも聴きたくなってきた。
そこで僕が使うようになったのが、父親が持っていたMDウォークマンだった。アルバムを丸ごと録音したMDや、自分にとってのベスト版のMDなどを数枚作り、それを毎日のように持ち出しては通学中に音楽を聴いていた。

それから大学に進学し、一人暮らしを始めた。MDウォークマンは父親のものだったので、実家に置いておくことになった。
音楽がなくなった生活が何となく物足りなくなってきた頃、田舎での生活ではあまり目にしない「あるもの」を多くの人が持ち歩いているのに気付いた。
その「あるもの」、それがiPodだった。
街ゆく人たちがiPodから伸びたイヤホンを耳に装着している姿から、それが音楽を聴くものであるということが分かった。
あんな小さなボディにどうやって音楽を入れているのだろう?……そんなことを真剣に疑問に感じながら、とりあえず電器店に行ってみた。
そこには、街で多くの人が使っていた「それ」が、種類・カラーバリエーション豊かに綺麗に並んでいた。
使い方もよく分からないまま、目にとまって心奪われた第2世代iPod nano 4GBのブルーを購入した。
小さな箱を受け取り、その中に入っているさらに小さなiPodを見た時は、iPodについて何も知らないにも関わらず、なぜか心躍ったのを覚えている。

クイックスタートを頼りにiTunesをインストールし、数少ない手持ちのCDをパソコンに入れていく。
そして、いよいよiPodをパソコンに接続。
その衝撃は想像以上だった。あっという間に全ての音楽がiPodの中に吸い込まれていく。
子どものようにはしゃぎたい気持ちを抑え、一人でドキドキしながらパソコンから取り外し、イヤホンで音楽を再生してみた。
これまでのどんな音楽の体験とも違う、何ともいえない新鮮な感覚がそこにあった。
田舎者の僕は、MDやCDで聴かない音楽というものに漠然とした不安を感じていたが、そんな不安は一瞬で払拭された。
これ一つあれば、手持ちの音楽が外出先でいつでも好きなように聴くことができる……それだけのことがあまりに嬉しく、iPodを片手に意味もなく散歩に出掛けてみたりした。

iPodと出逢ったことをきっかけに、音楽そのものが大好きになった。好きなアーティストのCDや、テレビ・ラジオで聴いて気に入った曲、友人から薦められた曲を片っ端からレンタル(学生ということもあり、全て購入するだけの経済力はありませんでした…)して、パソコンに入れていった。
次第に4GBのiPod nanoでは容量が足りなくなってきて、これを弟に譲ると同時に80GBのiPod classicを購入。
それからもどんどん手持ちの音楽を増やしていくと、今度はパソコンの容量が不足してきてしまい、外付けハードディスクを購入して音楽を管理するようになった。
最初は友人から借りた数枚のアルバムの音楽しか知らなかった僕の今のiTunesには6000曲とちょっとが詰め込まれている。
そんな曲数でも、プレイリストを備えたiPodはその時の気分ごとのリクエストにしっかり応えてくれる。

僕は大学時代、部活でダンスをしていた。
ダンスに使う曲を決める際、仲間がそれぞれのiPodを持ち寄り、スピーカーに繋いで音楽を流し合いながら曲選びをするといった光景も幾度となくあった。
いくつかの音楽を編集して作ったダンス用音源をみんなで共有し、各々のiPodに同じ曲が入っている様子を見ると妙な一体感が生まれたりした。
ダンスの大会で遠くに赴く時ももちろんiPodは一緒。
移動中にも音楽を聴いてイメージを膨らませていた。

楽しい時も辛い時も嬉しい時も悲しい時も、常に音楽が傍にいてくれる――
そんな素晴らしい毎日を過ごすことができているのは、思えばiPodに出逢うことができたのが全ての始まりだったように思う。
家にいる時も、近所のコンビニに出掛ける時も、旅行に行くドライブの時も、就職活動のための一人旅の時も、iPodは手放せない。
ずっと使い続けて、今では少しバッテリーも弱ってきたけど……これからもずっとiPodと一緒に、音楽のある生活を楽しんでいこうと思う。

FMトランスミッターも併用できる、iPod専用カーリモコン。【サン電子】
作者紹介
著者近影 お名前 おコメ
ウェブサイト
自己紹介 iPodと音楽とお気に入りのヘッドホンが相棒の23歳。 iPodと出逢ってから、音楽なしの生活が想像できなくなってしまいました。現在、touchにも興味はあるものの、やっぱり音楽を聴くことだけに特化した大容量のclassic一筋です。
所有するiPod iPod classic 80GB ブラック

このページのスポンサー:サン電子株式会社[広告掲載2011年9月28日〜2016年9月27日]


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