投稿エッセイ集「ありがとうiPod」 > 作品025

見果てぬ夢、なんかできるよね、って。

バドクリックス

見果てぬ夢、なんかできるよね、って。

32年前、アメリカのとある町で、二人のスティーブが、秋葉原で買えるような15cm四方の基盤を見つめていた。「なんかできるよねー。」とスティーブ。「なんかできるさ。」とスティーブが答える。二人は部品をひとつ買ってきた。これをつけて、テレビに接続したら「なんかできんじゃない。」とスティーブ。「なんかできるよ」、とスティーブ。

「ねーねー、テレビに点が出たよ。ほら」。。。「ねーねー、線になったよ。」。。。「これにスイッチ付けてみよっかー。」。。。「スイッチ押すとほら、線が寝てたり立ったりして見える。」、これって何かに使えるんじゃないの。。。

スティーブはある日、社会見学で、会社見学をしました。「ねー、スティーブ、今日さ、会社見学っていうのに行って、マニュアルみたいなのがあったから見ていたら、それ要らないよって言うから貰ってきたんだ。ねーねー、これあの基盤と形似てるよね。こことさ、ここをこうやって繋げると、電話代無料になっちゃうんじゃないの。」、「えーっ。そんなわけない。。。ホントだーっ!」作ってみようか。「うん。」

二人はこれを作って実験してみました。「スティーブ、動いた。思ったとおりだ。たいへんだ。」二人は一生電話を無料でできることになりました。二人はこれを町のコンピュータクラブの発表会で発表して売ってみることにしました。「いくらで売ろうか。コストは1000円ぐらいだから1500円ぐらいかな。1800円、2000円は高いよね。」、「5000円だーッ。」、それちょっと高いんじゃない。」「売れなくてもいいじゃん。売れたらそれから部品買えばいいし。」、「それもそうだね。」と二人は会場に。会場では予想外の売れ行きだった。発表が終わった後で、ビルとう男の子が近づいてきて、それどうなっての、と興味深々にそれを見つめていた。

それはだんだんと売れてきた。だけど、「ねー、スティーブ、みんなが言っているんだけど、これって法律に引っかかるんじゃないかって。」、「そう思う。僕もそうかなーって思ってたんだ。これはこれぐらいにして、何か他のものつくろうか。」、「いいよ。」、「ねーねー、画面に文字って出せないの。」二人はこうやってずっとこれが面白くて、今もずっとそれを考えている。

この一人がアップル社の社長、スティーブ・ジョブス。ジョブスは最初のころ、スティーブ・ワズニィアックと遊ぶように思いを巡らした。その延長線上にiPodの歴史があり、その末端に、この6月末にも日本で発表されようとしているiPhoneがある。32年前に会社見学をしなければ、その時に夢を見なければ、今の世の中自体が夢物語に終わっていたのかもしれない。ジョブス氏は1億5千万台以上のiPodを販売した今日、「これで条件が整った」と言っている。まだまだ夢を追って遊び場を広げているといった感じなのだろうか。ジョブスの年俸はここ10年ぐらい1ドル。ボーナスも取っていない。因みに、横から見ていたビルとはビル・ゲーツ。今のマイクロソフトの会長だ。夢は果てしない。

バドクリックス
作者紹介
著者近影 お名前 タカナリ
ウェブサイト バドクリックス:イヤホンをおしゃれに楽しむアクセ
自己紹介 ユビキタス社会っていう言葉が難しくて分からなかったけど、iPodが新しいユビキタス社会を作った、イヤホン市場を爆発的に拡大させた、と言われてかなり最近納得しているiPod、iPhoneユーザーです。
所有するiPod iPod、iPod shuffle、iPhone

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