iPodとの出会いは衝撃的だったので忘れられない。
世間でiPodが流行りだした頃、私はMDが主流だった。
「見てよ!これ買ったんだよね。」
友人が突然私に渡してきた、これが私とiPodのファーストコンタクトだった。
気を使いiPodのサイドを持ち、これが噂の..みたいな感じで眺めていた。
何てシンプルなデザインなんだ!
衝撃だった、そして今となっては当たり前だが音量を調節する方法が衝撃だった。
音も良い、たくさん曲が入る、これは革命だ!買おう!
その日のうちに注文をした。
iPodが来た日の事、早速iPodに曲を入れ、何故か散歩に行ったのを覚えている、帰ってきてからiPodの裏を布で拭いちゃったりして。
それからと言うものは常にiPodと一緒に時を過ごした。通学、通勤、帰り道など良く聴いた。
その頃MDは私に仕事を求めてたと思う。
わたしは「曲をシャッフルする」にいつも設定している、だから何が次にかかるのか分からない。
気分が落ち込んだ時など、不意に元気になる曲がかかる。
「今日のDJいいじゃん。」
僕はシャッフル機能をDJと呼ぶ、毎回違うDJも何気に楽しみだった。
今まで3曲連続で僕を盛り上げてくれたDJがいた、もう頼めないが。
そんなiPodも寿命が近づき、やがて動かなくなった。
「よく頑張ってくれたな、ありがとう。」
そう言うとそっと引き出しにしまった。
音楽を聴かない通勤は何か乗らない。不思議な感覚だった、通勤する人達の顔が暗く見え、朝聞こえる音が現実で嫌だった。
月日が経ちそのiPodは私の引き出しにはいない。
オークションで売っちゃった。
もう動かない割りに意外に高値がついた、落札者は商品が届いたその日に自分で修理し動いたと言う。
何か自分が無力に思えた。
今ではiPod nanoの裏面に息を吹きかけ布で磨いている。
作者紹介 | ||
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お名前 | みのる | |
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自己紹介 | こんにちは、現在25歳です!宜しくお願いします。 | |
所有するiPod | iPod nano |
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