投稿エッセイ集「ありがとうiPod」 > 作品046

Thank you, I.

ダイヤテック株式会社

キミと出会ったのは、いつだったかな。
もう四年前くらいになるのかな。
最初に触れた時の、あの気持ち。
ねぇ、キミは今、

長らく愛用していた、iPod nano 第一世代。
当時の最先端だったそれは、今ではレア物になってしまった。
時が経つのは確かに早い。というより新しい物が出るのは早い。
もうキミには4人の弟妹がいることになるね。

キミは何でも知っている。
どんな時にどんな曲を聞いていたかを知っている。
悲しい時はあれだよね。
楽しい時はそれかな。

あの時はあの人の曲が好きで、それからは別の人の曲にしばらくはまって。
受験期に頼れたのもキミだった。
緊張感を緩めてくれて、励ましてくれて。
結果が出た時も勿論一緒だった。

そんなキミは、最近あんまり長く頑張れないようになってきて。
決して非難はしていないよ。今までよく本当に良く頑張ったから。
おまかせ再生中に、これが聞きたいなと思えばそれが流れてきた時。
もうほとんど元気がないのになんとか頑張ってくれて、家についた瞬間に休憩に入ってくれた時。
やっぱり嬉しかった。

というわけで、キミに感謝したい。
何度もお礼を言いたい。
あと、ちょっと謝りたい。
何回か乱暴に扱ったと思うし、工夫すればもう少し長く頑張れたかもしれないし、その小さい傷も付かなかったと思うから。
新しいキミを迎えようと思うんだ。
裏に文字を入れてくれるみたいだから、キミの名前を入れてもらうよ。

なんだろう、意識みたいなものがあるなら、そっちに移ってくれないかな…?
勿論今のキミの体は捨てたりしないよ ずっとずっと残しておくから。

ねぇ、いつもはキミが聞かせてくれる側だよね。
だから、聞く側になってくれないかな。
いや、聞いてもらうよ。
綺麗な歌でもないし、手の込んだ音でもないけれど、でも。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ごめんなさい。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ねぇ、I、キミは今、聞いてくれたよね。

ダイヤテック株式会社
作者紹介
著者近影 お名前 kinomi
ウェブサイト
自己紹介 よく聴きたくなる、稀に書きたくなる高校生。iPodはいろんな時にそばにいてくれる。これからもよろしくね
所有するiPod iPod nano 第一世代

このページのスポンサー:ダイヤテック株式会社[広告掲載2010年3月15日〜2015年3月14日]


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