キミと出会ったのは、いつだったかな。
もう四年前くらいになるのかな。
最初に触れた時の、あの気持ち。
ねぇ、キミは今、
長らく愛用していた、iPod nano 第一世代。
当時の最先端だったそれは、今ではレア物になってしまった。
時が経つのは確かに早い。というより新しい物が出るのは早い。
もうキミには4人の弟妹がいることになるね。
キミは何でも知っている。
どんな時にどんな曲を聞いていたかを知っている。
悲しい時はあれだよね。
楽しい時はそれかな。
あの時はあの人の曲が好きで、それからは別の人の曲にしばらくはまって。
受験期に頼れたのもキミだった。
緊張感を緩めてくれて、励ましてくれて。
結果が出た時も勿論一緒だった。
そんなキミは、最近あんまり長く頑張れないようになってきて。
決して非難はしていないよ。今までよく本当に良く頑張ったから。
おまかせ再生中に、これが聞きたいなと思えばそれが流れてきた時。
もうほとんど元気がないのになんとか頑張ってくれて、家についた瞬間に休憩に入ってくれた時。
やっぱり嬉しかった。
というわけで、キミに感謝したい。
何度もお礼を言いたい。
あと、ちょっと謝りたい。
何回か乱暴に扱ったと思うし、工夫すればもう少し長く頑張れたかもしれないし、その小さい傷も付かなかったと思うから。
新しいキミを迎えようと思うんだ。
裏に文字を入れてくれるみたいだから、キミの名前を入れてもらうよ。
なんだろう、意識みたいなものがあるなら、そっちに移ってくれないかな…?
勿論今のキミの体は捨てたりしないよ ずっとずっと残しておくから。
ねぇ、いつもはキミが聞かせてくれる側だよね。
だから、聞く側になってくれないかな。
いや、聞いてもらうよ。
綺麗な歌でもないし、手の込んだ音でもないけれど、でも。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ごめんなさい。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ねぇ、I、キミは今、聞いてくれたよね。
作者紹介 | ||
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お名前 | kinomi | |
ウェブサイト | — | |
自己紹介 | よく聴きたくなる、稀に書きたくなる高校生。iPodはいろんな時にそばにいてくれる。これからもよろしくね | |
所有するiPod | iPod nano 第一世代 |
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