投稿エッセイ集「ありがとうiPod」 > 作品052

また使えるかな?

ダイヤテック株式会社

初めてiPodを知ったのは中学1年の夏。
友人が部活の休み時間に、iPod nanoをAUX機能を持ったラジカセに繋いで、演奏会でやる曲を流していた時だった。
そのときに強く憧れを持って「僕もiPodが欲しい!」と思ったが、当時のお小遣いやお年玉は部活動で使う消耗品などで消えていき、購入することはできなかった…

それから2年後、兄が引越しの準備の際、叔父から貰ったという白い正方形の箱をくれた。
iPodと黒い文字で書かれた、初代iPodの箱だった。
FireWireだったので曲などは同期できなかったが、自分好みの音楽が沢山入っていて、すぐにお気に入りになった。
僕は喜んでiPodを貰い、友人の家に遊びに行くときや、学校の帰り道で聞いたりした。
しかし、往年の磨耗からか、端子の接触が悪くなり充電も難しくなってきた。
当時は工学的な知識は皆無でお手上げ状態、しだいにiPodに手が伸びなくなっていった。
しばらくして、高校に進学する祝いとして当時最新だったiPod nano とDock接続式のスピーカーを貰った。
nano本体には名前のレーザー刻印がされていて「世界に1つだけのもの」という嬉しさがこみ上げてきた。
そして、それまで使っていた初代iPodを綺麗にして「今までありがとう、お疲れ様」箱に戻した。

それから3年後、僕は高校を卒業して、nanoとは出会って3年の付き合いになった。
雨で塗れて水没しかけたり多くの修羅場を経験しながらも現役でがんばってくれています。
進学のため、関西へ引越しの準備のときに初代iPodが入った箱を発見。
箱を開けて中を見ると、あの時を思い出しました。
ポーチが壊れた弾みで落としたときにできた傷などを見ていて懐かしく思いました。
あの時は荷物の関係で実家に置いて来たけど、部品などが調達できればピカピカの新品とは行かずともリフレッシュしてまた使えるかな?

近いうちに一度実家へ戻ります。
そのときには初代iPodを連れて帰って来ようかと思います。
そしてゆっくりと時間を掛けてまた使えるようにしようと思います。
待ってろよiPod! 迎えに行くからな!

ダイヤテック株式会社
作者紹介
著者近影 お名前 鷹宮慧伸
ウェブサイト
自己紹介 工学系高校の出身で音楽系の専門学校に通っています。
所有するiPod iPod 5GB(第1世代)、iPod nano 8GBシルバー(第3世代)

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