【詳細レビュー】PREMIUM SOUND SYSTEM 2008
このページではバックロードホーンスピーカーを採用したiPod向けオーディオシステム“PREMIUM SOUND SYSTEM 2008”をご紹介します。
概要
“PREMIUM SOUND SYSTEM 2008”は、iPod向けのオーディオシステムです。オリジナル開発されたスピーカーを中心に、オーディオテクニカ製のアンプとiPodドックが組み合わされています。 「長谷弘オーディオ」の新ブランド「Hasehiro Premium」第一弾として、2008年1月31日から発売されました。>メーカーの製品詳細 今回、発売前の試作機をお借りして、レビューする機会をいただきました。 |
製品の構成
【バックロードホーンスピーカー UMU-131XS】 スピーカーのエンクロージャー(箱・筐体)のメーカー“長谷弘オーディオ”の長谷川安衛氏と、スピーカーのチューニングを手がける大谷擴昭氏の二人の職人による合作。メーカーページの開発経緯を読むと「プロジェクトX」のような、日本の職人魂を感じます。 バックロードホーン方式を採用したもので、縦長の筐体ですがスピーカーユニットは5cmのフルレンジ1つだけです。コンクリート打ちっぱなしの部屋に似合いそうな、無骨なデザインです。 単品での販売価格は、税込45,150円。 |
【ヴァーティカルステレオアンプ AT-VSA30】 オーディオテクニカのコンパクトなステレオアンプです。ヴァーティカル(タテ型の)デザインなので、パソコン周辺などのデスクトップでの使用に最適です。単品のメーカー希望小売価格は、税込28,350円。>製品詳細 |
【iPod用ドック AT-ID5 BK】 iPodをDock接続するクレードルです。オーディオ出力と、ビデオ出力端子を備えます。単品のメーカー希望小売価格は、税込6,300円。ブラックとホワイトの2色が発売されています。このセットにはブラックが付属します。 |
“バックロードホーン”スピーカーって何?
スピーカーの背面への音を、前面の穴から出す「バックロードホーン」方式。「バスレフ」を違う名前で呼んでいるだけでしょ? と思っていたのですが、そうではないようです。 スピーカーの、BACKのROADがHORN(ホーン、管楽器)のように曲がりくねっていて、低音を増幅させるそうです。内部写真を見ると、ボックス内いっぱいにウネウネと道が通っていて、体内の腸のようです(ゴメンなさい…)。 音質が良くても、制作が難しいことから、一般向けのスピーカーではあまり採用されていない方式だそうです。この製品を手がけた“長谷弘オーディオ”からは、自作キットも販売されています。バックロードホーンスピーカーについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のサイトを参照してください。 |
セットアップ
スピーカーには、スピーカーケーブルをつなぐだけ。 |
ドック背面のLINE出力端子に、3.5mmステレオ—RCAケーブルを接続。 |
各ケーブルをアンプ背面に接続します。 上から、iPodからのオーディオ入力、左右のスピーカーケーブル、電源ケーブル(ACアダプタ)です。 |
これが最低限必要な配線はこうなります。 アンプのLINE入力端子にテレビやパソコンをつないだり、iPodドックに映像出力、USBケーブルをつなげば、さらに配線が増えます。 |
ドック“AT-ID5”について
この変な形のドックが、いろいろな仕掛けがあり面白い製品です。 |
背中の部分のダイヤルを回すと、背当ての部分が盛り上がり、厚みの異なる様々なiPodに対応できます。 Dockコネクタ部分は、すこし左にスライドさせることができます。これにより、Dockコネクタが中心にない古いiPod nanoも、キレイに真ん中に置くことができます。 |
iPod touchを置いてみたところ。背当ての部分にのっています。角度は5度〜30度まで傾けられます。 アーム部分は高さ調整ができそうな形状ですが、できません。(できると思って、押したり引いたりしてしまいました) |
残念ながら、昔のブ厚いiPodには対応していません。メーカーの製品ページで対応を確認してください。 第3世代iPodの厚い方(30/40GB)では使えない、カラー液晶の第4世代の薄い方(20/30GB)では使えることは確認できました。 第5世代以降のiPodなら問題なく使えます。 |
搭載されてる端子は右から、ミニUSB、ライン出力、コンポジット映像出力、S端子映像出力です。USBミニ端子を使って、パソコンとの同期や充電ができます。製品にはパソコン同期用のUSBケーブルと、充電用のACアダプタが付属します。 映像を出力できるのは、第5世代iPodのみです。iPod classic/第3世代iPod nano/iPod touchは映像出力の方式が変わってしまったためです。 |
このドックの、つり下げ型の特徴的なデザインのメリットは、写真のように手を差し込んで操作できることです。 角度調整のためにこういうデザインにしたのだと思っていたので、何気なく操作してこのメリットに気づいたときには、「あっ、こういうことか!」と驚きました。ほかのメーカーにもマネしてもらいたいところです。 |
アンプ“AT-VSA30”について
入力端子は、RCAピンジャックのLINE1、LINE2の2系統。 iPodとパソコン等を接続して、前面のスイッチで切り替えて使用できます。 |
前面には大きめで調整しやすいボリュームツマミと、電源、各種切り替えスイッチが並びます。 前面にも「LINE2」のステレオミニジャックの入力端子があります。背面の接続よりも、こちらが優先されます。携帯電話にダウンロードした曲をチョット聞きたい、といった時に役立ちます。 |
低音を強調するバスブーストと、サラウンド機能のオン/オフができます。サラウンド機能はさらに、音楽用・映画用を切り替えられます。 バスブーストは入/切の切り替えのみで微調整はできませんが、音量により自動調整されるとのこと。 |
音質と使用感
たった5cmのスピーカーユニットですが、下の穴から、低音がしっかり響いています。アンプのBASS BOOST機能を利用すれば、ウーファーを取り付けたかのように鳴りはじめます。 バックロードホーン方式と関係あるのかわかりませんが、今まで何気なく聞き流していたチェット・ベイカーのトランペットの響きには感動させられました。人に聞かせたくなります。 |
パソコン用モニタの横や、テレビの奥、戸棚の上など、何カ所か設置場所を変えて試聴してみました。その結果、パソコン作業用のデスクの上に置いたところ、最も良い音質を得られました。 リスニングポジションの中だと、アンプのサラウンド機能も面白いほど効果を発揮します。ある程度の音量が必要ですが、本当に音が広がって聞こえるので、不思議です。 |
サラウンド機能には「MUSIC」モードも用意されていますが、音が変に加工される場合があるので、音楽を聴くときにはオフがいいでしょう。通常の再生時には、ゆがみは全くありません。どんなソースでも、ボリュームを大きくしても小さく絞っても、非常に安定して再生してくれます。 iPodの操作と音量調節のために、ドックとアンプは手元近くに置いておく必要があります。音量を調整したいときには、ついクセでiPodを触ってしまいますが、iPod 側のボリュームレベルは反映されません。iPod用のドックは、スピーカーの上に置いてしまってもいいでしょう。 |
アンプの音量もドックに接続したiPodも、リモコンで操作ができないのが、残念な点です。この点は、ドックを“Apple Universal Dock”に置き換えれば解決します。 iPodとパソコンの音楽を、デスクの限られたスペースでも良い音で楽しみたい、という方に最適なシステムです。 |
PREMIUM SOUND SYSTEM 2008の購入は
PREMIUM SOUND SYSTEM 2008は、以下のショップで販売されています。2月15日から出荷開始予定です。 〈価格〉
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