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【詳細レビュー】第3世代iPod nano

このページでは2007年9月に発売された第3世代iPod nanoをご紹介します。

※このページで使っているiPod nanoのソフトウェアは、発売直後のため、まだバージョン1.0〜1.0.1です。各機能はソフトウェアアップデートで変わる可能性があります。

概要

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iPod nanoシリーズの3代目のモデルです。
第1世代と第2世代は、外観に多少の変化があったものの、大きさ・機能はさほど変わっていませんでした。

第3世代iPod nanoは、これまでのiPod nanoよりも画面が大きくなり、ビデオも再生できるようになりました。

公式サイト:アップル - iPod nano

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正直言って、この第3世代iPod nanoを最初に見た時には、がっかりしました。理由はふたつ。
ひとつは、デザインが太っちょになってしまったこと。
もうひとつは、第5世代iPodの時にアップルは「iPodは音楽プレーヤ。ビデオ機能はオマケ」と言っていたにもかかわらず、このiPod nanoではビデオ機能のためのハードウェアの設計をしていること。音楽プレーヤには、「ビデオを見るための大画面」は必要ないのではないか?

しかしそれらの考えも、実物に触れると変わってきました。
デザインに関していえば、新型に見慣れたとたん、旧型(写真右)が間延びした無駄の多いデザインに見えてきます。新型のデザインは、面積の半分以上を画面が占めている無駄のないものです。正方形に近いかたちにも愛着が湧いてきます。
ビデオ再生に合わせた大きな画面も、使いはじめてこれに慣れてしまうと、旧型の小さな画面に戻る気がしなくなります。

第3世代iPod nanoはここが新しい

外観

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上に書いたとおり、はじめは「太っちょ」に見えたデザインも、実物はずいぶん印象が違います。

カドがなだらかで正方形に近いデザインは、ビスケットのようでも、折り畳んだハンカチのようでもあり、愛着がわくものとなっています。

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裏側は、第1世代iPod nanoに採用されていたステンレスの鏡面が復活しました。
これまでのiPodのデザインは、「裏側鏡面」と「アルミ筐体」は併用されることはありませんでした。
この第3世代iPod nanoと新しいiPod classicでは、はじめてアルミ筐体かつ裏側鏡面のデザインが採用されました。

今まで上部にあったホールドスイッチは、下部に移動しています。

ブラウジング

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第3世代iPod nanoとiPod classicでは、内蔵ソフトウェアが大幅に変更されました。今までにもカラー化などの変更が何度も加えられてきましたが、それも「色をつけた」程度の変更でした。今度のソフトウェアは、iPodシリーズ自体が新世代に突入したような印象を受けます。

第3世代iPod nanoは画面の解像度が大きくなり、メインのiPod(iPod classic)と同じ情報量を表示できます。

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メニューが2分され、左側の選択項目により右側画面が様々に変化します。第5世代iPodのときに感じていた、広い画面をもてあました寒々しさはなくなりました。

カーソルを「ミュージック」に合わせているときにはアルバムアートが、「写真」に合わせているときにはiPodに転送されている写真がランダムにあらわれます。
エクストラ機能や設定項目なども、グラフィカルに表示されます。
iPodの言語設定をいたずらされて意味不明の表示になったとしても、これからは絵を手がかりに言語設定にたどり着くことができます。

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話題のCover Flow(カバーフロー)。
メニューの中では、「ミュージック」の第1階層にあります。ブラウズの対象となるのは、iPodの中にある全ての音楽です。iTunesのように、プレイリストごとにカバーフロー表示はできません。

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Cover Flowでアルバムを選ぶと、ジャケットがパラリと裏返り、含まれる曲のリストが表示されます。表示されるのはiPodに転送されているもののみです。

曲を選ぶと、またジャケットが裏返っていつもの再生画面に移行します。その時のエフェクトも小気味いい演出になっているので、ぜひ実物で確認してください。

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アルバムのブラウズでは、アルバムアートが表示されるようになりました。

また、iTunes上のプレイリストのフォルダ分けがようやくiPod上に反映されるようになりました。
フォルダを選択して、含まれる楽曲をすべて再生することもできます。
ただ問題があり、プレイリストの一覧を見ても、それがプレイリスト自体なのかフォルダなのか見分けがつきません。要改善。

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曲のブラウズでは、その曲を歌うアーティスト名も併記されるようになりました。

いままでは同じ曲名が並んでいる場合、再生するまで誰の曲なのかわかりませんでしたが、これでリスト上で把握できるようになりました。

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再生中の画面でセンターボタンを押して、操作モードを切り替えるところで、あらたにシャッフルの設定を変更できるモードができました。

そのかわりアルバムアートを拡大表示するモードはなくなりました。

画面表示の省電力モード

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音楽再生中に1分ぐらい何も操作せずにおくと「省電力モード」とでも言うべき画面に切り替わります。時計と電池残量、再生中のアイコンだけが表示されます。

省電力は結構なことですが、スピーカーで聴いているときにふと画面をみても、曲の情報がわかりません。曲情報を確認するためには、ホイールに触れてバックライトを点灯し「省電力モード」を抜ける必要があります。

バックライトを「常にオン」の設定にしているときには、この「省電力モード」にはなりません。

その他

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ゲーム機能も変わりました。
付属のゲームが新しくなり、iTunes Storeで買ったゲームを追加できるようにもなりました。

付属ゲームは「iPod Quiz」「Klondike」「Vortex」の3種類。「Klondike」はソリティアです。「iPod Quiz」と「Vortex」は、今まで第5世代iPod用としてiTunes Storeで販売されていたものです。

以前のiPodに付属していたゲーム「Parachute」に相当するものはありません。ルールがわかりにくい上に、ゲーム内容も穏やかではなかったので、廃止されたのでしょうか。

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メモ機能と歌詞の表示で、日本語と欧文のフォントがマッチしていない問題も解消されました。
(それでも欧文の方がまだちょっぴり大きい)

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肝心のビデオ機能に触れていませんでしたが、特筆すべき点も、これといった問題点もありません。第5世代iPodと同じようにビデオを楽しめます。
写真機能ももちろんあります。

いままでのiPod nanoには無かった機能としては、テレビに写真・ビデオを出力できるようになりました。
テレビに表示するには、別売りのアクセサリが必要です。(後述)

ソフトウェアのアップデートで機能が変わる

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第5世代iPodと第2世代iPod nanoには、イヤホンを抜くと曲が一時停止する機能がついています。

第3世代iPod nanoの発売直後のソフトウェアのバージョン1.0では、この機能は有効ではありませんでした。

iTunesでソフトウェアを1.0.1にアップデートすると、第5世代iPod、第2世代iPod nanoと同じように、イヤホンを抜いた時に一時停止するようになります。

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発売直後のソフトウェアのバージョン1.0では、「充電済み」の「済」の字が大きく強調されていました。(写真左)
バージョン1.0.1にアップデートすると、きれいな表示になります。(写真右)

充電が済んだことを強調するために大きくしていたわけではないようです。そりゃそうか。

アクセサリを使う

付属品

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iPod nanoには、使うのに最低限必要なアクセサリがはじめから入っています。

充電は、パソコンとの接続に使う「Dockコネクタケーブル」で、パソコンから電源を供給します。
コンセントから充電するには、別売りのACアダプタが必要です。

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はじめてiPodを買った人が疑問に思うのが、付属の白いお皿の用途。
これは“Apple Universal Dock アダプタ”というものです。iPodにはいろんなサイズがありますが、どのiPodでも同じアクセサリが使えるように、“Universal Dock”という統一規格が制定されています。“Apple Universal Dock アダプタ”は“Universal Dock”対応製品にiPodをのせるためのアダプタです。
詳しくは、iPod専用Dockスピーカー機能比較ページの「“Universal Dock”・“Universal Dock アダプタ”とは」を参照してください。

ドック

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Apple Universal Dock”が別売りオプションとして用意されています。ドックがあれば、パソコンとの接続・解除が楽になります。背面のラインアウト端子とステレオなどをつないで、スピーカーで音楽を楽しめます。

過去のiPod nanoには専用のドックが発売されていましたが、第3世代iPod nanoにはありません。“Apple Universal Dock”を買う必要があります。

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第3世代iPod nanoは底面のドックコネクタとホイールの位置が近いので、“Universal Dock”接続時には、ホイール下部がドックに埋まるような形になります。
そのためにドックアダプタ前部に指を入れるスペースがすこし開けてありますが、それでも非常にホイール操作がしづらい。
専用に設計したドックが欲しいところです。

ビデオと写真をテレビで見る

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第5世代iPodには、専用の“iPod AV ケーブル”をヘッドホンジャックに接続するだけでビデオと写真のスライドショーをテレビで楽しめる、便利な機能がありました。

しかし第3世代iPod nanoには、ヘッドホンジャックからの映像出力機能がありません。Dockコネクタに接続する“Apple コンポジット AV ケーブル”“Apple コンポーネント AV ケーブル”を買う必要があります。

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Apple iPod Universal Dock”のLINE OUT端子に、上記“iPod AV ケーブル”を接続すると、第3世代iPod nanoのビデオ・写真をテレビに出力できました。

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ただし、この“Apple iPod Universal Dock”はすでに旧モデルです。モデルチェンジした“Apple Universal Dock”が発売されます(iPhoneでも使えるために、名前から“iPod”を削ったと思われます。)。

新しいドックでは、旧型に搭載されていたS-VIDEO出力端子が廃止されています。S-VIDEO出力端子がない、新しい“Apple Universal Dock”では、上記のAVケーブルを使う方法はできないかもしれません。

その他のアクセサリ

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従来のiPod nano同様、“iPod Radio Remote”“Nike + iPod Sport Kit”に対応しています。

ケースと保護シートは、ケースカタログ/第3世代iPod nanoページをご覧ください。

(PRODUCT) RED special editionを買う

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iPod nano 8GBモデルには、5色のカラーバリエーションがあります。
その中でもこのレッドは、“(PRODUCT) RED special edition”と呼ばれる特別モデルです。購入金額の一部がアップルから「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に寄付されます。詳細は、アップル - iPod - (PRODUCT) REDを参照してください。価格は、8GBモデルの他の色と変わりません。
iPod nanoはどの色も魅力的です。どれにするか迷いましたが、社会貢献することなんて滅多に無いので、このREDを買うことにしました。

レッドといっても真っ赤ではない微妙な色合いで、このページの写真ともアップル公式サイトの写真とも違います。すこしピンク色がかった、インクのマゼンタのような赤かぶのような色です。赤かぶではあんまりなんで、大人っぽいワインレッドということにしておきます。

iPod nano (PRODUCT) RED Special Editionは、アップルストアの実店舗か、オンラインストアでのみ販売されています。価格は税込23,800円です。


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