ロジクールから発売された、iPhone用外付けゲームコントローラー「G550 パワーシェル コントローラ+バッテリー」をレビューします。
iPhoneに装着して対応アプリを操作できる、Lightning接続のゲームコントローラーです。
iOS 7以降の、iPhone 5/5sと第5世代iPod touchに対応しています。
当サイトでは以前、ヘッドホン端子接続のゲームコントローラー「60beat GamePad」をレビューしました。
このほかDockコネクタ接続タイプやBluetooth接続タイプなど、さまざまなメーカーからiPhone/iPad用ゲームコントローラーが発売されました。
それらはメーカーによって規格がバラバラで、対応アプリも異なりました。
それがiOS 7からは、アップル自身がゲームコントローラーの規格を取り決めることになりました。
アップルの規格に準拠したゲームコントローラーと、同じ規格に沿って作られたアプリを、組み合わせて遊べます。
その対応ゲームコントローラーの国内発売第1弾が、この「G550 パワーシェル」です。
スイスLogitech(ロジテック)社の製品を国内展開する、Logicool(ロジクール)から発売されています。
12月13日からApple Storeで先行販売され、12月24日からは一般発売が開始されました。
アップル認定の「Made for iPhone」マーク取得製品です。
仕様と外観
▲ 充電用のMicro-USB充電ケーブルと、ヘッドフォン延長ケーブル、iPod touch用のスペーサーが付属しています。
▲ iPhoneをはめ込んで接続します。
iOS 7以降の、iPhone 5とiPhone 5s、第5世代iPod touchに対応しています。
iPhone 5cには対応していません。
派手なデザイン柄が施されていますが、iPhoneを接続すれば見えなくなります。
▲ 梨地加工が施された、黒いプラスチック素材です。
側面はツヤツヤの光沢仕上げです。
手で握る部分には、グリップ感を高めるパターンが施されています。
▲ iPhoneはLightning端子で接続します。
▲ 左下には充電用の端子と、ストラップホール、iPhoneへの給電用スイッチが搭載されています。
▲ USB経由で充電する、内蔵バッテリーで駆動します。
付属品以外にも、汎用のMicro USBケーブルで充電できます。
内蔵バッテリーの容量は1,500mAhで、iPhoneを充電する外付けバッテリーとしても機能します。
側面のスイッチで、iPhoneへの給電を入/切できます。
▲ iPhoneの消音スイッチとボリュームボタンは、コントローラーの下側に露出しています。
▲ スピーカー・マイク用の穴が開けられています。
iPhoneを接続したままでも、通話ができます。
▲ ヘッドホン・イヤホンを接続して遊ぶには、付属のL型延長ケーブルを使います。
▲ 延長ケーブルを介して、iPhoneにヘッドホンを接続します。
この延長アダプタは、ヘッドセットのリモコン・マイク機能には対応していません。
▲ Dパッドの脇にあるスイッチをスライドさせると、iPhoneのスリープボタンを操作できます。
▲ iPhoneを斜めに差し込んで、Lightning端子を接続します。
液晶保護フィルムなどは貼ったまま使えますが、背面保護用ケースなどは併用できません。
▲ 第5世代iPod touchで使う場合は、付属の厚み調節用シートを挟みます。
▲ コントローラーの充電時や、iPhoneへの給電時には、背面の「G」マークが光ります。
これはロジクールのゲーム周辺機器ブランド「ロジクール G」のロゴマークです。
▲ iPhoneを取り出すには、カメラレンズ用の穴から押し出します。
レンズに指を触れずに押し出せるように、穴が大きめに開けられています。
▲ ニンテンドー3DSと並べてみました。
重さはiPhone + G550が237g、3DS(ゲームカードなし)が235gと、ほぼ同じでした。
ゲーム操作ボタン
▲ 左手親指部分のDパッド(いわゆる十字ボタン)。
円形で、あまり操作しやすくありません。
3D空間をぐりぐり歩くようなゲームは動かしやすいです。
▲ 右手親指部分の、ABXYボタン。
任天堂のコントローラーとは並びが逆になっています。
その下には、ゲームを一時中断するポーズボタンも搭載されています。
多くのゲームで、この一時停止ボタンが機能して便利です。
ただし停止したゲームを再開には、再度一時停止ボタンを押すのではなく、画面上のボタンを操作しなければならないゲームもありました。
▲ 左右上部には、Lボタン・Rボタンが搭載されています。
対応ゲームで遊んでみた
メーカーLogitechのウェブサイトに、対応ゲームアプリのリストが掲載されています。
「PAC-MAN Lite」「Ms. PAC-MAN Lite」など、無償で遊べるLite版もラインナップされています。
レースゲームの「アスファルト8」は、「今週のApp」で無料提供されたこともあり、持っているひとも多いかもしれません。
▲ コントローラーは自動で認識され、アプリごとに設定する必要はありません。
操作方法のチュートリアルも、コントローラーを使った操作で説明されます。
▲ 対応アプリのリストには掲載されていませんが、セガの「ぷよぷよフィーバーTOUCH」もiOS 7用コントローラーに対応しています。
「ぷよぷよ」で遊んでみたところ、タッチスクリーン操作よりも快適に操作できるました。
ただAボタン・Bボタンの配置に対して、「ぷよ」の回転する方向が逆で困りました。
左側のボタン(A)を押すと右回転し、右側のボタン(B)を押すと左回転するのです。
任天堂方式のコントローラー(右がA、左がB)に合わせて、操作を割り振ってしまったのでしょう。
Lボタン・Rボタンでも回転でき、そちらの方がプレイしやすいです。
そのほか主に、「アスファルト8」や「パックマン」で遊んでみましたが、ゲーム専用機のように快適に操作できます。
Aボタンで決定、Bボタンでキャンセルなど、ゲーム機で慣れ親しんだ操作方法がそのまま使える場合があります。
コントローラーではなくアプリ側の問題ですが、全体を通して、以下の点が気になりました。
- コントローラーだけでプレイをしていると、一定時間タッチ操作が無かったと判断され、画面がスリープしてしまうものがある。
- ポーズボタンで中断はできるが、ポーズボタンで再開できない(画面で操作する必要がある)ものが多い。
- メニュー画面・設定画面などで、コントローラーで操作できるのか、タッチ操作する必要があるのか、わからない場合がある。
画面上の選択肢にABXYボタンが割り当ててあり、画面に触れたりDパッドでカーソルを動かさなくても、ボタンひとつで選択できる親切設計のものもあります。
操作方法に関してはこれから研究が進んで、洗練されていくでしょう。
▲ AirPlayでApple TVにミラーリング出力すれば、まるで据え置きゲーム機のように、大画面でiPhoneのゲームで遊べます。
ゲームコントローラーでの操作は、タッチスクリーンでの操作とは異なり、手元の画面をみる必要がありません。
「Lightning – Digital AVアダプタ」などでの、有線接続の映像出力はできません。
ファイナルファンタジー III〜VIが対応予定
対応ゲームの目玉タイトルとして、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズの対応が予定されています。
「III」「IV」「V」「IV:ジ・アフターイヤーズ」「VI」が順次対応予定とのこと。
記事公開時(2013年12月24日)現在、まだ対応していません。
「ファイナルファンタジーVI」は、アプリの販売自体がまだ開始されていません。
まとめ
ゲーム機用に開発されたソフトを移植したアプリだと、タッチスクリーンでの操作がしにくいことがあり、このような外付けコントローラーが待ち望まれていました。
素早い操作が要求されるアクションゲームやレースゲームのほか、RPG、シューティングゲームなどを、快適にプレイできます。
ゲームで遊ぶとiPhoneの電池の減りが気になりますが、G550の内蔵バッテリーでiPhoneを充電することができ、よりゲームに集中できます。
価格は約1万円で、ゲームのコントローラーとしては高価に感じます。
将来iPhoneの形状が変わったら、使えなくなる恐れもあります。
ゲーム専用機のようにプレイでき、操作の快適性はゲームの成績に直結します。
使いにくいタッチスクリーン上の操作レバーなどから開放され、ストレスも軽減されます。
ゲームのヘビーユーザーには必需品といってもいいでしょう。
「ロジクールG550 パワーシェル コントローラ+バッテリー」は、以下のオンラインショップで購入できます。
価格は9,980円です。