札幌の高橋政明です。
各地での災害、被害が大きく心配ですね。
先日娘に私のiPhoneを貸したら、「お父さんのiPhoneなんか字が太い」と言われました(笑)
このコラムの第4回ではOS Xのアクセシビリティを書きましたが、今回はiOSについて書きます。
iOS 7 はタイポグラフィの美しさが特徴です。
残念ながら細い文字は視認性とは両立しません。
そこでAppleはアクセシビリティを強化しました。
アクセシビリティに「文字サイズを変更」「文字を太くする」「コントラストを上げる」などの機能を追加しました。
「アクセシビリティ」の位置も設定アプリで「一般」を選ぶとスクロールなしで使える1ページ目(使用頻度の高い/重要な機能のための位置)に変わり、アクセシビリティ機能を切り替えるのが楽になりました。
iOS 7 でアクセシビリティ機能が強化されたのは、法律の存在が大きかったはずです。
米国ではリハビリテーション法第508条で、情報機器はだれでも使えなければなりません。
細い文字は見えづらく、この法律が求める条件をクリアするには何か対策が必要だったからと考えられます。
私は乱視で老眼なので「文字サイズを変更」で大きめに設定し、「文字を太くする」で太く表示し、「コントラストを上げる」で透明度を下げています。
iOS 7.1.2では「文字を太くする」をオンにすると、ホーム画面のアプリ名やオンスクリーンキーボードの各キーも太く表示され、かなり見やすくなります。
▲ 文字を太くする『オン』の状態(左)と、iOS 7の通常表示(右)
各アプリも「文字サイズを変更」に連動する仕組み(Dynamic Type)で、利用者が必要な文字サイズで表示するようになりました。
ただしアプリにより対応は様々です。
連絡先アプリは見出し部分は指定した文字サイズになりますが、詳細表示の電話番号や住所表示の文字サイズは固定です。
私の作ったiPhoneアプリ『UD電話帳』は電話番号や住所も太く大きな文字で表示します。
電話をかける前に音声で確認もできます。
▲ UD電話帳1.1の動画
iPhoneを横にすると電話番号も住所も名前も1.5倍に拡大表示します。
のし袋の宛名や宅配の送り状などを手書きする場合などに画数の多い難しい漢字もバッチリ見えて便利です。
▲ UD電話帳の電話番号や住所表示
▲ UD電話帳は横にすると1.5倍で拡大表示します
UD電話帳はiOS 6から使えます。
実はiOS 6以前から連絡先アプリの電話番号表示の「6」と「8」がまぎらわしく、知人に電話番号を伝えたりする時に不便に感じていました。
そこで自分用に作ったアプリが、UD電話帳なのです。
眼鏡を持ち出せない状況など緊急時にもお役にたつと思います。
iOS 7のDynamic Typeに対応するための開発者向け情報は、iBooks Storeで配信中の電子書籍「TextKit概説」に書きました。
※ この記事は、ゲストライターの高橋政明氏(有限会社 快技庵)が執筆したものです。
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【著者プロフィール】
〈高橋政明〉
快技庵でiOSアプリを開発する札幌在住の開発者。NPO法人MOSA理事。
1985年にMacintosh 512Kカナバージョンを入手、それからMacのプログラム開発をはじめ今日に至る。
68000からPower PC、PowerPCからインテルと二度のCPU変更を経験したMacプログラマ、現在はiOSの開発が中心です。
Macが登場して三十周年で昔話ネタならたくさんあります(笑)。
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