【高橋政明のマックTalk】連載第8回:技術屋がおすすめする、青空文庫で読める旅行記2作品

札幌の高橋政明です。
台風の被害が心配ですね。帰省ラッシュ直撃で移動中にこのコラムをご覧の方もいるかもしれません。

移動中の読書はiPhoneですっかり手軽になりました。
前回のコラムでneo文庫を書き思い出したのですが、たまに読書も良いものです。

私は青空文庫リーダーアプリを作ったことで、テストを兼ねてこれまで読まなかったジャンルなどいろいろ読むようになりました。
電子書籍アプリの開発は、テストのために読み始めると(テストを忘れて)読み進んでしまい、効率がかなり悪くなる問題があります(笑)。

移動中などにもおすすめなのが「ガリバー旅行記」と「チベット旅行記」です。

「ガリバー旅行記」は小人の国が特に有名ですが、それだけではありません。
子供向けの内容と思いがちですが、実際は風刺の効いた作品です。
小人国(リリパット)、大人国(ブロブディンナグ)、飛島(ラピュタ)、馬の国(フウイヌム)からなります。
ポータルサイトのYAHOO!は、馬の国のヤフーに由来するそうです。
(青空文庫の訳では「ヤーフ」と表記されています)
ラピュタも宮崎アニメでおなじみですね。
ガリバーは日本にも来たとされるなど、読んでみないとわからない事もあります。

もうひとつの「チベット旅行記」も旅行記ですが、こちらはフィクションではありません。
明治時代にひとりで当時鎖国をしていたチベットに行った僧侶、河口慧海(かわぐちえかい)の著書です。
新聞に連載されたものをまとめたもので、冒頭のみ文語調ですが、本文は読みやすくなっています。
チベット旅行記の挿絵
▲ チベット旅行記は挿絵も読めます

日本人であることを隠したり、言葉を覚えるために1年かけるなど、周到に準備していることが細かく書かれています。
なにより徒歩でヒマラヤ山脈を越える旅をしたことは驚異です。
「チベット旅行記」はひとつの作品にまとめられていますが、文庫本では5冊で、この作品を読むためだけに有料リーダーを購入したとしても十分元が取れます(笑)。
またWikipedia「河口慧海」や「河口慧海コレクション」で仏教・民族資料を参照しながら、Google Earthで文字通り慧海の足跡をたどると臨場感もひとしおです。

移動中などの空き時間にもおすすめの二作品をご紹介しましたが、まとまった時間のとれる休みは、新しい事をはじめるのにも最適ですね。
Appleの新プログラミング言語Swiftを知るには、拙著「Swift離陸ガイド」がおすすめです。
現在ダウンロードできるものはBeta 4まで対応済みの第3版ですが、最新のBeta 5対応の第4版は現在申請中です。
電子書籍は一度購入すると、常に最新版をダウンロードできるので、変化の激しい技術書には最適ですね。
そうそうガリバー旅行記の作者はスイフトです(青空文庫の表記ではスウィフト ジョナサン)。

※ この記事は、ゲストライターの高橋政明氏(有限会社 快技庵)が執筆したものです。

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【著者プロフィール】
〈高橋政明〉
快技庵でiOSアプリを開発する札幌在住の開発者。NPO法人MOSA理事。
1985年にMacintosh 512Kカナバージョンを入手、それからMacのプログラム開発をはじめ今日に至る。
68000からPower PC、PowerPCからインテルと二度のCPU変更を経験したMacプログラマ、現在はiOSの開発が中心です。
Macが登場して三十周年で昔話ネタならたくさんあります(笑)。

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