【高橋政明のマックTalk】連載第9回:Macの画面撮影はなぜ⌘⇧3と4なのか

札幌の高橋政明です。
今回はMacのキーボードショートカットについて書きます。
現在のMacのキーボードにはF1~F12のファンクションキーがついて、画面の輝度や音量調整ができますが、30年前に登場した最初のMacはジョブズのこだわりで、ファンクションキーがついていませんでした。
特定の機能、特に使っているアプリに関係しない基本的な機能を、押すキーの組み合わせで実現したのがキーボードショートカットです。

初代MacのCommand(⌘)Shift(⇧)3は、画面を「MacPaintの書類」に保存しました。
Command(⌘)Shift(⇧)4は、ImageWriterに「カレントウインドウを印刷」しました。
画面全体を印刷する場合は、Caps Lockを押した状態でCommand(⌘)Shift(⇧)4でした。
インクリボンが新しいと、とてもきれいに印刷できました。

ではなぜ「1」とか「2」を使わなかったのでしょうか?
初代Macの ⌘⇧1 はフロッピーディスクのイジェクトでした。
⌘⇧1 が内蔵ドライブ(または第1ドライブ)からイジェクト、⌘⇧2 が外部ドライブ(または第2ドライブ)、⌘⇧0 がMacintosh SEなど2ドライブ内蔵タイプの外部ドライブからのイジェクトでした。

Macintosh

初代Macはフロッピーベースのシステムで、起動もフロッピーでした。
フロッピーの容量は限られているので、フロッピーのイジェクトは最も頻繁に使うキーボードショートカットだったのです。
そうそう初代Macはフロッピードライブが1台でも、フロッピーのコピーができました。
(何度も何度もフロッピーの交換が必要でしたが。)

OS X では ⌘⇧4 でマウスポインタが十字になって範囲を選択できますが、スペースバーを押すとマウスポインタがカメラになりポインタのあるウインドウだけを撮影できます。
別のウインドウに隠れている場合も、ウインドウ全体を撮影できます。
なお ⌘⇧4 は「esc」キーでキャンセルできます。

昔はメニューをプルダウンした状態は ⌘⇧4 で範囲を指定して撮影しようとすると、メニューが切り替わり望む状態を撮影できませんでした。
このためユーティリティアプリの「グラブ」のタイマー機能を使って撮影しました。
10.9では ⌘⇧4 で範囲指定状態になると、メニューが切り替わらなくなったためメニューも撮影できますね。
かつてはMacアプリのマニュアルを作るために「グラブ」アプリが活躍したのですが、これからは使う機会も少なくなりそうです。

グラブ

ところで「スクリーンショット」の呼び方にはどうもなじめません、「画面キャプチャ」の方がしっくりきます。
省略した「スクショ」はさらになじめません(笑)。
初代Macでは「MacPaint書類」でしたが、画面サイズが大きくなりカラー対応になったMacIIからは「PICTファイル」になりました。
そしてOS Xからは「pdfファイル」になりました。
Control(⌃)キーも押すとファイルではなくクリップボードにコピーするのも、かなり昔からの機能です。

※ この記事は、ゲストライターの高橋政明氏(有限会社 快技庵)が執筆したものです。
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【著者プロフィール】
〈高橋政明〉
快技庵でiOSアプリを開発する札幌在住の開発者。NPO法人MOSA理事。
1985年にMacintosh 512Kカナバージョンを入手、それからMacのプログラム開発をはじめ今日に至る。
68000からPower PC、PowerPCからインテルと二度のCPU変更を経験したMacプログラマ、現在はiOSの開発が中心です。
Macが登場して三十周年で昔話ネタならたくさんあります(笑)。

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