【高橋政明のマックTalk】連載第23回:今年のWWDCはちょっと違う?

※ この記事は、ゲストライターの高橋政明氏(有限会社 快技庵)が執筆したものです。
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札幌の高橋政明です。
WWDC16が来週に迫ってきました。
今日(6月9日)の大きなニュースで皆さんご存知でしょうが、ここにきてApp Store改革の発表がありました。
噂としてではなくAppleがイベントの前に情報を出すのは、これまでにない特異な動きです。
App Store改革は我々開発者に大きな影響がありますが、WWDCは技術的な話題に集中させたいための先行情報開示のような気がします。

期待される技術発表を勝手に予想してみます。
まずは発表が確実なことから始めましょう。
デベロッパープレビューが既に始まったSwift 3関連は、確実に今年のWWDCの柱の一つでしょう。
ただ、これはswift.orgで発表済みで、重要ではあるもののニュース性は乏しいのも事実です。
Appleが今後もSwiftに肩入れするのは当然として、Objective-Cの今後について正式に何か発表するかは気になります。
もしかすると『数年以内にSwiftに乗り換えるように』との具体的メッセージがあるかもしれません。

Siriの開発Kitが発表される可能性も、噂通り高いでしょうね。
Siriでアプリを制御できれば、同じ仕組みを使ってアプリ同士でも制御できるはずです。
かつてApple ScriptでMacのアプリを連携させることができましたが、セキュリティを保ちながらこのようなことができればとても面白くなります。

ここからは期待と願望です(笑)。
今回あえて事前に情報を出すのは、さらに注目すべき事が発表されそうですよね!
MacとiOSデバイスの関連も大きく変わるかもしれません。
Bitcode対応済みなのでiOS用アプリをMacで動作するようになる可能性もあるかも知れません。
どのように操作するかなど解決しなければならない課題も多いのですが、動作自体は可能なはずです。
iOSアプリがMacで動作するようになるなら、App Store改革並みのインパクトです。
昨年iOSとMacのデベロッパー契約が一本化されましたが、今年アプリの互換性面で一本化される布石だったのかもしれません(笑)。

iPadでSwift言語を使い開発することは、Swift発表当時から開発者の願いです。
比較的単純なことですが、なぜかまだ実現していません。
PlaygroundのようなiPad用Swift実行環境はいつ登場してもおかしくありません。

さらに願望が続きますが、日本語Text to Speechの改善は期待したいです。
読み・アクセント・イントネーションのカスタム指定機能が欲しいです。
メールやニュースがより自然に読み上げできれば利便性が高まります。
日本語フォントの強化はこれまでも地道にされていますが、ヒラギノUDフォントがiOSに搭載されると老眼にはありがたいです。

現在OS X、iOS、watchOS、tvOS の4OSですがこれがさらに増えるのかも気になります。
自動車を研究していることは間違いないでしょうが、さすがに今年開発Kitが出てくることはなさそうですが。

WWDC16は基調講演の会場が変更になりました。
技術的発表内容も近年にないほどのインパクトのあるものが期待されます。

【著者プロフィール】

〈高橋政明〉
快技庵でiOSアプリを開発する札幌在住の開発者。NPO法人MOSA理事。
1985年にMacintosh 512Kカナバージョンを入手、それからMacのプログラム開発をはじめ今日に至る。
68000からPower PC、PowerPCからインテルと二度のCPU変更を経験したMacプログラマ、現在はiOSの開発が中心です。
Macが登場して三十周年で昔話ネタならたくさんあります(笑)。

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