【編集後記】新型MacBook ProのTouch Barに、初代iPhoneの発表を思い出す

MacBook Pro

新型MacBook Proに搭載された「Touch Bar」。
いままでのパソコン用キーボードに搭載されていたファンクションキーを置き換える、新しいインターフェースとして発表されました。
「F1」「F2」といった、アプリごとに機能の変わる分かりにくいボタンを、タッチスクリーンにしてしまったものです。
iPhoneでタッチスクリーンに慣れてしまった我々には、これはとっつきやすく、使いやすそうです。

この「Touch Bar」を見て思い出すのが、2007年1月に行われた初代iPhoneの発表です。
iPhoneが登場するまで「スマートフォン」といえば、端末の下半分にQWERTYキーボードを搭載したものでした。

Macworld San Francisco 2007 Keynote Address

発表イベントでジョブズは、「アプリケーションごとに違うインターフェースが必要なのに、ハードウェアキーボードは、あとから変えられない。これではダメだ」として、巨大なタッチスクリーンを搭載したiPhoneをお披露目したのでした。
いまではタッチスクリーンのスマートフォンが当たり前になっていますが、このiPhoneが発表されるまでは、誰も見たことがない画期的なものでした。

この発表イベントは、Apple公式のPodcast「Apple Keynotes」で見られます。
Macworld San Francisco 2007 Keynote Address」の、26分ごろからiPhoneの発表がはじまり、31分ごろからインターフェースの話になります。

Macworld San Francisco 2007 Keynote Address

いま改めてこの発表を聞いてみると、まるでMacBook ProのTouch Barをプレゼンテーションしているように聞こえます。
iPhoneやiPadの使いやすさは、パソコンやガラケーのようにボタンがたくさん並んでいるわけではなく、「画面に出ているものに触れるだけ」で良いところにあります。
この迷いなく操作できるインターフェースが、「Touch Bar」として、今度はMacにやってきたのです。
今後はMacBookだけじゃなくiMacなどのために、外付けキーボードにもTouch Barが載ることになるでしょう。
私はiMac愛用者なので楽しみに待とうと思います。

Appleは2011年のOS X Lion以降、iOSで先行していた機能をMacに取り入れることをしてきました。
しかしmacOSとiOSは、それぞれに適した使い方があるとして、統合の可能性は否定しています。

Touch BarもmacOSをiOSに近づけるというよりは、ファンクションキーの役割を改めて考え直したときに、これが最適解だったのでしょう。
macOS SierraではSiriも使えるようになり、パソコンのインターフェースにも、テクノロジーの発展に伴い変化が訪れているのを感じます。

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