iPhoneがこの世界に発表されてから、間も無く10周年を迎えようとしています。
今年リリースされたiOS 10では、時代の流れを感じさせる、ある変更が行われました。
ホーム画面で、「メール」と「メッセージ」アプリの位置が入れ替わったのです。
これはユーザがアプリの位置を変えていない、デフォルトの状態の話です。
バックアップから復元すると、それまで使っていた並び方が継承されるので、気づかなかった方も多いかもしれません。
初代iPhoneからずっと、現在の「メッセージ」に相当する「SMS」アプリはホーム画面の左上にあり、「メール」アプリは画面下部のDockに収まっていました。
それがiOS 10のiPhoneでは位置が入れ替わり、「メール」が左上に移動し、「メッセージ」がDockに入りました。
(iPadではiOS 7から、「メッセージ」と「写真」の位置が入れ替わり、Dock上に「メール」と共存しています)
Eメールや個人のメールアドレスは今後も重要であり、「メッセージ」などのチャットツールで代替するのは難しいでしょう。
しかしiPhone/スマートフォン上で行うコミュニケーションとしては、メールよりもSMSやLINEの方が、利用頻度が高くなっているようです。
AppleもiOS 10では、iMessageの機能強化に力を入れており、目玉機能に据えています。
10年前の初代iPhoneの発表を思い返してみると、スティーブ・ジョブズは
- タッチ操作のワイド画面iPod
- 革新的な携帯電話
- 先進的なインターネットコミュニケーションデバイス
の、まったく新しい3つデバイス=実はひとつの製品としてお披露目しました。
(Podcast「Macworld San Francisco 2007 Keynote Address」より)
当時はこの「インターネットコミュニケーター」という部分にだけ、イメージがわかずピンときませんでした。
しかし現在ではiPod機能よりも、iPhoneの重要な面を担っています。
もしかしたら、電話機能よりも。
ひとによってDockに入れているアプリは、LINEやFacebookメッセンジャーだったり、Twitterだったり、「メール」のままだったりするでしょう。
いずれにしろ、iPhoneを「インターネットコミュニケーター」として使っていることに変わりはありません。
iPhoneの登場が、このようにインターネットを介したコミュニケーションの方法も変えてしまうことも、ジョブズには見えていたのかもしれません。