「Beats Studio3 Wirelessオーバーイヤーヘッドフォン」をレビューします。
BeatsのBluetoothノイズキャンセリングヘッドホンです。
AirPodsと同じくAppleの開発したW1チップを搭載し、対応デバイスと簡単にペアリングでき、省電力で駆動します。
有線接続でも使用できます。
Beatsのノイズキャンセリング・ワイヤレスヘッドホン「Studio V2」の後継モデルとして、2017年10月にリリースされた製品です。
「Studio3」では新たに、Apple W1チップを搭載しています。
W1チップ搭載ヘッドホンは、Appleの「AirPods」、Beatsの「BeatsX」「Solo3 Wireless」「Powerbeats3 Wireless」に続く、5モデル目です。
iPhone/iPad/iPod touch/Macと簡単にペアリングでき、同期先の切り替えも簡単です。
▲ セット内容は以下のとおりです。
- ヘッドホン本体
- 収納ケース
- 収納ケース用のカラビナフック
- 有線接続用のリモコン・マイク付きオーディオケーブル
- 充電用Micro USBケーブル
- 説明書やステッカーなど
▲ Beatsの「Solo」シリーズと同様に、なめらかなフォルムを描いたシンプルなデザインです。
シャドーグレー、ポーセリンローズ、マットブラック、ホワイト、ブルー、レッドの、6色のカラーバリエーションが用意されています。
このページで使用しているのはシャドーグレーです。
グレー色をベースに、内側にはベージュ、ロゴや金属パーツにはゴールドがあしらわれています。
ポーセリンローズと共に、Studio3を代表するカラーです。
▲ ヘッドバンドの外側には「Beats」のロゴが描かれています。
▲ ヘッドバンドの内側はクッション性があり、頭に当たっても痛くありません。
▲ ヘッドバンドの金具の中に、長さ調節用のアームが隠されています。
▲ 金具部分をパキッと内側に折りたたんで、収納ケースに入れて持ち運べます。
▲ 硬いシェル型の、丈夫な収納ケースです。
バッグやフックに吊り下げられる、カラビナが付属しています。
内側にケーブルを分けて収納できるポケットが無いのが残念です。
▲ イヤーカップは、耳を包み込むような大きさです。
イヤーパッドはの素材は柔らかく、長時間装着していても快適です。
▲ 右ユニットの下側に、電源ボタンがあります。
長押しで電源をオン/オフにできます。
下の側面に、充電用のMicro USB端子があります。
▲ 左ユニットは「b」ロゴを中心に、3ボタン式のリモコンになっています。
「b」ロゴ部分が、再生・一時停止などのボタンです。
電話への応答や、Siriの呼び出し、ダブルクリックで曲送り、トリプルクリックで曲戻しもできます。
「b」ロゴの上が音量上げ、下が音量下げボタンになっています。
下側面には、有線接続用のオーディオ入力端子があります。
▲ 充電用のACアダプタは付属しておらず、iPhoneに付属のUSB電源アダプタなどを使います。
「Beats Pill+」や「BeatsX」では充電端子にLightnigが採用されていますが、Studio3は依然としてMicro USBなのが残念な点です。
1回の充電で、約22時間の連続再生ができます。
ノイズキャンセル機能をオフにした「省電力モード」なら、40時間再生できます。
急速充電技術「Fast Fuelテクノロジー」を搭載し、10分充電するだけで、3時間使えるとされています。
これは省電力駆動を実現する、Apple W1チップの恩恵と思われます。
バッテリー残量は、iOSの「バッテリー」ウィジェットで確認できます。
▲ iPhoneとペアリングして音楽を聴いてみます。
iPhoneの近くで電源を入れると、ペアリングを促すボタンが、画面にポップアップ表示されます。
「接続」をタップするだけで、iPhoneと自分のiCloudアカウントに登録されます。
ペアリングされている場合は、次回以降はStudio3の電源を入れるだけで接続されます。
▲ 音質はバランスが良く、ノイズを感じることなくクリアな音楽を聴かせてくれます。
かつてのBeatsのイメージからすると意外なことに、低音域はやや物足りなく感じます。
Beatsのヘッドホンの中では上位モデルにあたり(ハイエンドではない)、過度な味付けをしない、フラットな音作りがされています。
装着感が心地よく、バッテリーも長持ちするので、使い勝手も満足感が高いです。
▲ iOSの 設定 > Bluetooth > 自分のデバイス 欄にあるでStudio3の「i」マークをタップすると、ヘッドホンの設定ができます。
名前を変更できるほか、ノイズキャンセル機能のオン/オフができます。
ノイズキャンセルをオフにすると、ヘッドホンのバッテリーを節約できます。
▲ ノイズキャンセル機能は強力です。
音楽を最適に聞けるように、周囲の音に合わせて効果を調整する「ピュアアダプティブノイズキャンセリング(Pure ANC)」機能を搭載しているとのこと。
電源をオンにするだけでノイズキャンセル機能が有効になり、周囲の騒音・雑音がスッと聞こえなくなります。
電車内で試してみると、車内アナウンスは消されずに聞こえました。
うるさい電車内でノイズキャンセルをオフにすると、騒音の混じった音楽を聴くことになり、音量が上げ気味になってしまいます。
ノイズキャンセル機能は、ボリュームを抑え気味にして、聴力を守るのにも役立ちます。
▲ 常に轟音にさらされている、飛行機内でも試してみました。
電源を入れると、ゴーと響く音が弱まり、クリアな音楽に集中できるようになります。
さすがに完全無音とはならず、ある程度のノイズは残りますが、かなり静かになり快適です。
音楽や映画を再生すれば、そのノイズも気にならなくなります。
▲ Apple W1チップにより、同じiCloudアカウントでログインしているデバイスに自動で情報が同期され、簡単にペアリング先を切り替えられます。
iPhone/iPadのほか、Mac、Apple Watchで有効です。
iOS 10、macOS Sierra、watchOS 3以降が必要です。
▲ Bluetoothワイヤレス以外に、付属のケーブルで有線接続でも使用できます。
ケーブルをヘッドホンに接続すると、自動で電源がオンになります。
有線接続時も、ノイズキャンセル機能は有効です。
有線接続時のリモコン・マイク機能は、ケーブルに搭載されているものに移り、ヘッドホン本体のボタンは無効になります。
バッテリー残量ゼロで電源が入らない場合は、有線接続でも音楽は聴けません。
競合製品であるボーズのノイズキャンセリング・ワイヤレスヘッドホン「QuietComfort 35」は、バッテリーがなくても、有線接続でふつうのヘッドホンとして使えるので、Studio3の仕様は残念なところです。
Beats Solo3 Wirelessとの違い
▲ 同じメーカーの「Solo3 Wireless」(写真右)も、同じくApple W1チップを搭載したBluetoothヘッドホンです。
ノイズキャンセリング機能を搭載したStudio3との価格差は、税別で5,000円です。
Solo3は耳に乗せるようなスタイルのオンイヤー型で、一方のStudio3は耳を覆うオーバーイヤー型です。
Studio3の方が、耳に優しく感じました。
安価なSolo3も十分な高音質で、コンパクトで持ち運びやすく、より軽快に使えます。
電車や飛行機での移動が多く、ノイズキャンキャンセリングの恩恵を受けられる方には、Studio3をおすすめします。
まとめ
Beatsのラインナップで最も高機能な、Bluetoothワイヤレスかつノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンです。
強力なノイズキャンセル効果で、機内のような騒音内でも、クリアな音楽を楽しめます。
Apple W1チップを搭載したことにより、iPhoneやiPad、Macと同期がしやすく、Apple製品ユーザにとってはかなり使いやすいです。
身につけて使うオーディオ製品としては、Beatsの洗練されたデザインも嬉しい点です。
iPhone内の音楽ライブラリや、Apple Musicをとことん楽しめる、iPhoneユーザには最高の製品です。
「Beats Studio3 Wirelessオーバーイヤーヘッドフォン」は、以下のオンラインショップで購入できます。
価格は税込各38,280円(税別34,800円)です。