iPhone X用の「SHIFTCAM 2.0」をレビューします。
6つのスライド式拡張レンズを搭載したケースです。
iPhoneでの広角、望遠、魚眼、マクロ撮影が手軽にできます。
レビューには販売元から評価用に提供いただいたものを使用しています。
▲ SHIFTCAM(シフトカム)は元々は、iPhone 7 Plus用に発売されたケースです(写真左上)。
「SHIFTCAM 2.0」はより進化したバージョンで、iPhone X用のほかに、7/8用、7 Plus/8 Plus用の計3サイズがラインナップされています。
▲ このページでは、基本セットとなる「トラベルセット」を使用しています。
レンズキャップと、フロント用広角レンズ、ストラップが同梱されています。
高機能のレンズが付属する4種類の「プロパッケージ」や、フルセットとなる「アドバンスドパッケージ」も用意されています。
ケースの構造
▲ TPU素材のインナーケースに、ポリカーボネート製の背面カバーを被せたハイブリッド構造です。
▲ iPhoneをはめ込むだけで、簡単に装着できます。
前面のエッジは、iPhoneのガラス面とほぼ同じ高さです。
落としたりしたときに、画面を守れない可能性があります。
▲ iPhone Xのスペースグレイモデルに装着したところ。
カラーバリエーションは無く、ブラックのみです。
▲ 6つの拡張レンズを備えたユニットは「トラベルレンズ」と呼ばれています。
トラベルレンズを保護できるキャップが付属しています。
▲ キャップはマグネット式で、簡単に着脱できます。
▲ トラベルレンズをスライドさせて、抜き取ることができます。
自撮り用の「フロント広角レンズ」に付け替えられます。
別売りオプションとして用意されている、広角、望遠、マクロの「プロレンズ」を付けることもできます。
▲ レンズユニットの内側に、金属製の突起が埋め込まれています(写真左)。
この突起がケース側の凹みにはめ込まれて、位置がぴったり合う仕掛けです。
問題なのが、使っているうちにiPhoneの2つのカメラレンズの真上に、突起のスライド跡が残ることです。
なぜよりによってこの位置に、iPhoneに直接当たるような突起を作ったのか?
ガラスかコーティングが傷ついたようで、ふき取ると一時的に見えなくなるものの、この跡は残ったままになりました。
撮影用のアクセサリーであるにも関わらず、レンズが汚れたり傷つく可能性がある設計は、疑問を感じるところです。
▲ 革製の高級感あるストラップが付属しています。
ケース側面のストラップホールは、穴が小さくて紐を通しにくいです。
▲ 音量ボタンはTPU素材で覆われています。
硬くて押しにくく、ストレスを感じます。
消音スイッチの開口部も小さくて、切り替えにくいです。
▲ 反対側のサイドスイッチも、音量ボタンと同様に押しにくいです。
スイッチ周りの使いにくさは旧モデルからであり、改善されていないのが残念です。
▲ 充電コネクタ(Lighting端子)まわりは、ある程度の余裕を持って開けられています。
▲ Apple純正のLightningアダプタなど13種が、接続できるかチェックしました。
幅広で短い「Lightning – 30ピンアダプタ」(写真右上)以外は、すべて接続できました。
- EarPods with Lightning Connector:OK
- Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ:OK
- Lightning – 30ピンアダプタ:×
- Lightning – 30ピンアダプタ(0.2 m):OK
- Lightning – Micro USBアダプタ:OK
- Lightning – Digital AVアダプタ:OK
- Lightning – VGAアダプタ:OK
- Lightning – USBカメラアダプタ:OK
- Lightning – USB 3カメラアダプタ:OK
- Lightning – SDカードカメラリーダー(旧・MD822ZM/A):OK
- Lightning – SDカードカメラリーダー(新・MJYT2AM/A):OK
- Lightning – USB-Cケーブル:OK
- iPhone Lightning Dock:OK
▲ レンズユニットが大きく突き出しているため、置いたときに傾斜がつきます。
ワイヤレス充電は機能するものの、シビアな位置合わせが必要になります。
拡張レンズについて
▲ 「トラベルレンズ」には合計6つのレンズが、iPhoneの広角カメラ側(上)・望遠カメラ側(下)の2列に並んでいます。
- 120°広角(ワイド)
- 180°魚眼
- 10倍マクロ
- 2倍望遠
- 2倍望遠
- 20倍マクロ
まったく同じ「2倍望遠」が、なぜか2つ搭載されているのは、旧モデルに続いての仕様です。
6種類のレンズが使えるようにみえて、実際は5種類しかありません。
▲ 下段のレンズを使うには、カメラのレンズを望遠カメラ側に切り替える必要があります。
iOS標準の「カメラ」アプリでは、広角カメラと望遠カメラのふたつのレンズが、シームレスに自動で切り替わります。
「2 x」にズームしても、望遠カメラに切り替わらないことがあります。
Microsoft Pix カメラ(無料)のようなサードパーティ製アプリを使えば、ふたつのレンズを手動で切り替えられます。
▲ 撮影サンプルを載せます。
まずはiPhone標準カメラで、ふつうに撮影したもの(1x)。
▲ これはiPhone標準カメラで、2倍の望遠撮影(2x)。
▲ ShiftCamの2倍望遠。
iPhoneの望遠カメラに対して2倍なので、遠くの風景がぐっと近寄ります。
ただし隅の方に、「ケラレ」と呼ばれるレンズによる黒い影も見られます。
▲ ShifCamの120°広角(ワイド)。
iPhoneを載せている橋の欄干が写り込んでいます。
▲ ShiftCamの180°魚眼。
気をつけないと、iPhoneを握る手も写り込みます。
▲ マクロレンズでは、ぬいぐるみを撮ってみます。
こちらはマクロ10倍。
マクロレンズは、1cmくらいまで寄らないとピントが合いません。
iPhone本体が影を作るので、明るいところで撮る必要があります。
▲ マクロ20倍。
ぬいぐるみの糸の、繊維まで確認できます。
被写界深度は浅いため、立体感のあるものほどボケが大きくなります。
▲ 「フロント広角レンズ」についても解説します。
「トラベルレンズ」と差し替えて装着することで、広角で自撮りができます。
ただしこの状態では、Face IDが使えません。
▲ レンズユニットを横にズラせば、Face IDが使えます。
▲ ただし今度は、背面レンズにカバーが被ってしまい、背面カメラでの撮影ができなくなります。
背面カメラ撮影時にはFace IDが使えない、Face ID認証時には背面カメラで撮影ができないという、面倒なことになります。
つけっぱなしで運用できる「トラベルレンズ」とは違い、「フロント広角レンズ」は必要なときだけ装着するのがいいでしょう。
まとめ
スライドするだけで、多様なレンズを簡単に使えるケースです。
クリップレンズのように持ち歩きや装着の手間がかからず、シャッターチャンスを逃しません。
オプションとして用意されている「プロレンズ」にも、簡単に正確に取り付けられます。
ボタンの押しにくさや、カメラレンズに跡がつくなど、ケースの作り込みに甘さが見られるのは残念です。
「SHIFTCAM 2.0」は、アクト・ツーストアで販売中です。
このページで使用したiPhone X用の「トラベルセット」は、税込12,960円(税別12,000円)です。
販売元アクト・ツーのブログメディアTokyo Macに概要が掲載されています。
詳細:SHIFTCAM 2.0