9月6日(木)未明に発生した「北海道胆振東部地震」により、40時間もの停電を体験しました。
幸い現在は停電から復旧し、iMacでこの記事を書くことができています。
停電中に一時的にiPhoneが通信不能になりましたが、ラジオと新聞があったおかげで、情報から隔離されずに済みました。
停電でも一時的に通信可能
地震で停電になっても、iPhoneや携帯電話で、通話とデータ通信ができます。
通信用の基地局に、非常用の電源設備が搭載されているためです。
しかし非常用電源の駆動時間にも限りがあります。
停電が長引いた場合は、基地局も機能を失い、iPhoneも電話・インターネット端末として機能しなくなります。
ついに通信不能に
地震発生から12時間経過した、6日午後3時ごろ。
私の住んでいる地域で、ドコモ回線に接続できなくなりました。
情報収集に使っていたインターネットのニュースやSNSに、一切アクセスできません。
メールやメッセージサービスも使えないので、外部と連絡がとれず、自分の無事を伝える術もありません。
家が停電しているので、もちろんWi-Fiも機能していません。
情報から孤立したようで、これは不安になりました。
必ずラジオの用意を
このとき頼りになったのは、電池で動くラジオです。
NHKのAMラジオ局では、地震関連の情報をずっと流してくれていて、いまどうなっているのか知ることができました。
リアルタイムで発信されている音声を流しているだけでも、不安な気持ちを和らげる効果があるように感じました。
被災したときに備えて、ぜひAM放送が聞けるラジオの準備をしておいてください。
充電式ではなく、乾電池式駆動や、手回しで充電できる機能を備えたものがいいでしょう。
もちろん乾電池の準備も必要です。
iPod nanoにはFMラジオ機能がありますが、イヤホンの接続が必須で、被災時の使い勝手はいまひとつです。
私の手元にあるiPod nanoは、バッテリーもかなり劣化していて長持ちしませんでした。
AM放送にも対応していません。
新聞はすごい
通信不能な状態は、7日0時頃には復旧していました。
7日の朝には新聞が配達されてきて驚かされました。
私が取っているのは、札幌に本社をおく「北海道新聞」。
北海道全域が停電している中で、どうやって新聞を作ったのでしょうか?
取材、執筆、編集、印刷、そして数十万戸の読者への配達。
この新聞が新聞受けに届けられるまでには、さまざまな工程が必要です。
災害・停電で不自由な中、多くの人々の努力があっただろうと思うと、この一冊の新聞がとても貴重なものに感じました。
さすがに平時の新聞と比べて、内容は縮小されていましたが、その内容にも唸らされました。
地域の情報を載せる地方版ページを見ると、営業予定のスーパーやコンビニ、給水所、医療機関、金融機関、交通機関といった、生活に必要な情報のみ、限られた紙面で的確に伝えられていました。
災害時のいま、どんな情報を読者に伝えるべきかという、メディアとしての責任感のようなものを感じさせられました。
インターネットで世界中の様々な情報を、ほぼリアルタイムで得られる現在。
「新聞なんて必要ない」と思われる方もいるでしょう。
しかしインターネット上のニュースは、新聞社が配信しているものが多いのが現実です。
またTwitterなどのSNSでは、不正確な情報を信じて発信したり、良かれと思ってそれを拡散してしまう方もいます。
新聞とラジオは、信用できる必要な情報のみ伝えられているように感じ、その点でも安心感があります。
テレビもネットも使えない状況で、昔ながらのメディアである新聞とラジオがあったのは、本当に心強く感じました。
完全復旧はまだ先
災害時でも新聞・ラジオで情報を発信し続けてくれたメディアの方や、停電復旧のために尽力してくれた電力会社の方には、頭が下がります。
お店や医療機関で働いている方々も、自身も被災者でありながら、がんばってくれていたことでしょう。
現在は北海道内のほとんどの地域で、停電が復旧し、スーパーなども営業を再開しています。
明日の月曜日から、いつもどおり会社が学校が始まるという方も多そうです。
しかし被害の大きかった地域では、復旧までまだまだ時間がかかりそうです。
地震発生から1週間は、余震への注意が必要とも言われています。
まだ電力供給も追いついておらず、節電が呼びかけられています。
私も今は、可能なかぎり電化製品を使わないよう生活しています。
長時間の停電でもiPhoneが使えていたのは、モバイルバッテリーの備えのおかげでもありますが、長くなったので今回は割愛します。