iPhone Xシリーズ用の「Smart Battery Case」をレビューします。
Apple純正のバッテリーケースです。
iPhoneと同じく、Lightningケーブルで再充電できるほか、ワイヤレス充電にも対応しています。
電池残量をiPhoneの画面で確認できる、独自機能を備えています。
iPhone XS用、XS Max用、XR用の3サイズが用意されています。
このページではiPhone XS Max用を使って解説します。
▲ Appleの「Smart Battery Case」は、2015年にiPhone 6/6s用、2016年にiPhone 7用が発売されました。
2017年のiPhone 8とiPhone X用にはリリースされませんでした。
2019年1月に登場した、新タイプのSmart Battery Caseは、はじめて3サイズがラインナップされました。
新モデルはiPhoneのようにワイヤレス充電が可能になり、iPhone対応のワイヤレス充電器に載せて再充電ができます。
▲ 従来品(写真左・中央)は、下側に厚みがあるデザインでした。
iPhone Xシリーズ用(写真右)は、この「アゴ」がなくなり、前面から見るとスッキリしたデザインに進化しています。
▲ 各サイズとも、ブラックとホワイトの2色のカラーバリエーションです。
Apple純正の「シリコーンケース」と同じ表面素材が使われています。
ボタンなどの仕上げも、シリコーンケースと同じです。
▲ 内側もシリコーンケースと同じ、マクロファイバー素材が貼られています。
▲ 内側にバッテリーのスペックが記載されています。
入力は5V〜15V/3A、出力は8.7VV/0.7A、容量は1369mAhです。
2月1日からモバイルバッテリーに必須となっている、PSEマークもちゃんと入っています。
▲ 薄い下側面の内側に、Lightningの端子が突き出ていて、不思議な作りです。
iPhone Xシリーズ用は、従来品とは異なり、下部全体が膨らんだ作りです。
再充電用のLightningメス端子は、この膨らみに開けられています。
内側のLightningオス端子と位置をズラすことで、薄いベゼルを実現しています。
▲ 出荷時はバッテリー残量がゼロです。
購入直後は、再充電してから使う必要があります。
iPhoneに付属するLightningケーブルと電源アダプタを利用できます。
5W電源アダプタを使用した場合、充電開始から90分で50%、3時間で94%、Smart Battery Caseが充電されました。
100%になるには、充電開始から3時間半を要しました。
内側のLEDランプが点灯して、充電状況を教えてくれます。
充電中はオレンジ色で、満充電になるとグリーンに変わります。
▲ iPhoneに装着して充電してみます。
上端をぐにゃっと折り曲げて、iPhoneをスライドさせて収納します。
奥までしっかり押し込んで、Lightning端子を接続する必要があります。
▲ iPhone XS Maxのシルバーモデルに、ホワイトのSmart Battery Caseを装着したところ。
iPhoneと一体化するので、ケーブルで接続する一般的なモバイルバッテリーよりも扱いやすいです。
中央部だけがコブのように出ていた従来品と異なり、握る部分全体が大きく膨れているので、握った時に厚みを感じます。
Smart Battery Caseの重さは109g、iPhone XS Max本体と合わせると317gになります。
それなりにずっしりと重たく感じます。
▲ 装着したときに一瞬だけ、画面上部にSmart Battery CaseとiPhone本体のバッテリー残量が表示されます。
▲ iPhoneのウィジェットを開けば、いつでもバッテリー残量を確認できます。
これはサードパーティー製のモバイルバッテリーには搭載されていない、純正ならでは便利な機能です。
▲ iPhone XS Maxのバッテリー残量ゼロの状態から、Smart Battery Caseで充電してみました。
充電開始から4分で、シャットダウンから復帰します。
開始から30分で20%、1時間で36%、1時間半で50%充電できました。
開始から約2時間10分で、iPhoneを69%充電できたところで、Smart Battery Caseの電池残量がゼロになりました。
iPhone XS Maxの場合は、Smart Battery Caseを装着することで、バッテリー容量を約7割拡大できると言えます。
▲ Smart Battery CaseのLightningメス端子は、iPhone本体の端子と同じように使えます。
有線接続のイヤホンや映像出力アダプタなどのアクセサリを、そのまま使用できます。
▲ iPhoneにSmart Battery Caseを装着したままで、両方を充電することもできます。
新しいSmart Battery Caseは、USB-PD対応電源アダプタを使えば、高速充電ができます。
iPad Pro用のApple 18W電源アダプタと、USB-C Lightningケーブルなどを使えば、高速充電ができます。
▲ iPhone Xシリーズ用のSmart Battery Caseは、ワイヤレス充電にも対応しています。
iPhoneに対応している、Qi規格のワイヤレス充電器に置いておくだけで、再充電ができます。
iPhoneの7.5W高速ワイヤレス充電に対応した充電器で、Smart Battery Caseの充電所要時間をはかってみました。
充電開始から1時間で50%になり、満充電までには3時間かかりました。
▲ ワイヤレス充電器に置く際には、注意が必要です。
厚みのある部分の中心に合わせると、コイルの位置が合わず充電されません。
重心がここにあるので、知らないとつい、このように置いてしまいます。
▲ Smart Battery Case全体の、中心を合わせるように充電器に置く必要があります。
Appleでは、背面のAppleマークを目印に、充電器の中心に合わせるようにアナウンスしています。
▲ iPhone本体とコイルの位置が合っているので、iPhone向けに設計されたスタンド型ワイヤレス充電器なども、そのまま使えます。
▲ iPhoneとSmart Battery Caseを一体化させて、ワイヤレス充電器で同時充電することもできます。
両方とも電池残量ゼロの状態から、充電所要時間を確認してみました。
iPhoneがシャットダウンから復帰するまで、充電開始から15分を要しました。
その時点でバッテリー残量はiPhoneが1%、Smart Battery Caseが6%です。
そこからはiPhoneの充電が優先されます。
開始から1時間で、iPhoneが32%、Smart Battery Caseが7%になります。
開始から2時間半で、iPhoneが約90%になり、Smart Battery Caseの電池残量も増え始めます。
開始から3時間半で、iPhoneが100%、Smart Battery Caseが50%になりました。
開始から4時間半で、Smart Battery Caseが80%になってから熱を帯び始め、給電が急激にスローダウンします。
熱を感知して、給電を抑える安全機能がしっかり働いていることが確認できます。
iPhoneとSmart Battery Caseの両方とも100%になるには、充電開始から7時間もかかりました。
▲ やはりバッテリーの再充電と、iPhoneの充電を同時に行うと、熱を帯びやすく、充電効率は良くありません。
3台のデバイスを同時にワイヤレス充電できる、AppleのAirPowerの発売が待たれます。
サードパーティー製でも、2台のデバイスを同時充電できる「Freedy Flex デュアルワイヤレス充電パッド」(写真)のような製品があります。
関連記事:【レビュー】Freedy Flex デュアルワイヤレス充電パッド EA1202:2台同時高速充電対応のワイヤレス充電器
▲ 試しにiPhone XS Max用のSmart Battery Caseに、iPhone XとXRを入れてみたところ、充電ができました。
しかし内側に隙間があるので、端子の接続が途切れやすく、実用的ではありません。
iPhone XS用Smart Battery CaseにiPhone Xを入れて充電することもできるようですが、底面のスピーカー・マイク穴の一部が塞がってしまいます。
iPhone 8など、iPhone Xシリーズ以外のデバイスは充電できませんでした。
まとめ
純正ならでは便利な機能を備えた、賢いバッテリーケースです。
ケーブルに煩わされることなく、iPhoneを充電できて快適です。
画面上に電池残量を表示する機能は、充電状況を把握しやすく便利です。
ワイヤレス充電器に対応し、従来品より利便性が向上しています。
厚みと重量があるので、バッテリー残量が心配になりはじめてから、装着する使い方になるでしょう。
バッテリー容量を拡張して、iPhoneをもっと活用できる必携アイテムといえます。
iPhone XS用、XS Max用、XR用「Smart Battery Case」は、Apple公式サイトで販売中です。
価格は税込各15,984円(税別14,800円)です。
- iPhone XS用:iPhone XS Smart Battery Case
- iPhone XS Max用:iPhone XS Max Smart Battery Case
- iPhone XR用:iPhone XR Smart Battery Case