今週はさまざまな新サービスが発表されたスペシャルイベントがありましたが、それとは別に残念なニュースが入ってきました。
AppleがAirPowerの発売を断念したというのです。
参考:アップルが野心的ワイヤレス充電マットAirPowerをキャンセル、品質が水準を満たせない | TechCrunch Japan
AirPowerはAppleが発売を予定していた、ワイヤレス充電パッドです。
2017年9月に、iPhone XやiPhone 8、Apple Watch Series 3と共に発表されました。
AirPods充電ケースなど、3台のデバイスを置いて充電できるようになる、はずでした。
プレスリリース「未来がここに:iPhone X」から引用します。
Appleは、2018年発売予定の自社設計のワイヤレス充電アクセサリ、AirPowerのプレビューを行いました。このデバイスはゆったりとしたアクティブ充電領域を備えており、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xをお使いのお客様は、Apple Watch Series 3、新しいAirPods用のワイヤレス充電ケース(別売)などを含む最大3台のデバイスを同時に充電することができます。
発表されてから1年半経過し、AirPods用のワイヤレス充電ケースは発売されました。
しかし待望のAirPowerについては、
“われわれが設けた高い品質基準を満たすことが困難だと結論せざるを得なかった”
“製品化はキャンセルされた”
というのです。(上記TechCrunch Japanの記事より)
これは珍しいパターンですね。
かつてiPhone 4のホワイトモデルが、生産が困難なために、発売が大幅に遅れたことがありました。
しかし「やっぱり発売しません」というのは記憶がありません。
Apple製品の分解・検証で知られるiFixでは、AirPower開発中止の要因を、以下のように分析しています。
Appleが提出したAirPower用特許申請書から考えられるのは、最大32個のコイルを隈なく重ねる構造でした。重なりあう充電コイルは、強力な高周波を発生させます。仮に複数デバイスのワイヤレス充電が成功していたとしても、周囲の心臓ペースメーカーや補聴器に及ぼす影響を避けることはできません。 pic.twitter.com/HaBuGkqz8P
— iFixit Japan (@iFixit_Japan) 2019年3月30日
Appleのワイヤレス充電対応製品は、Apple Watchに始まり、iPhone本体、Smart Battery Case、AirPodsと、バリエーションが増えてきました。
AirPowerがあれば、かなり便利になっただろうことを考えると、開発中止は惜しいですね。
iPhoneに限っては、ワイヤレス充電器はスタンド型が便利だと思うので、違うスタイルでの純正ワイヤレス充電器を期待しています。