iPhone 4の「アンテナゲート」と呼ばれた騒動から、10年が経過したので振り返ってみようと思います。
iPhone 4は2010年の6月24日に発売されました。
発売直後に、構造上の問題が発覚します。
側面にステンレス製のアンテナが露出しているために、握り方によっては、電波感度が落ちることがあるのです。
Appleは7月16日に記者会見を行い、期間限定で全ユーザーに無料でケースを配布することを発表しました。
iPhone 4にケースやバンパーを装着することで、電波感度の低下を防げるのです。
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同日に、iPhone向けに「iOS 4.0.1 ソフトウェア・アップデート」も公開しています。
iPhone 4を握ったときに、受信状態が変化したように見えるのは「電波強度を表示するための計算方法が間違っていた」として、それを修正する目的のものでした。
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AppleはiPhoneのアンテナ性能に関する特設ページを公開し、他社製スマートフォンでも受信感度低下は発生すると検証したり、研究施設の様子を見せたりしていました。
(現在は公開されていません)
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iPhone 4ユーザーへのケースの無償配布には、「iPhone 4 ケースプログラム」という専用アプリが使われました。
このアプリはiPhone 4だけで起動でき、電話番号、シリアル番号やIMEIをもとに、1台につき1回だけ申し込むことができるように制限されていました。
Apple純正のiPhone 4 Bumperのほかに、サードパーティー製品を合わせて計8種類、カラバリを含めると全10種から選ぶことができました。
8種類もあるのだから、どれにしようか迷ってしまいますよね。
このサイト(当時の名前は「ありがとうiPod」)では、8種類のうち6種類を買い集めて、レビューを行いました。
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すでに純正バンパーを買ったというひとには、返金が行われました。
またiPhone 4本体についても、購入後30日以内なら返品を受け付ける対応も実施されました。
私自身は、どのケースを選んだかというと、結局申し込まずに終わりました。
「ケースプログラム」は期間限定で、申し込まないまま期間が過ぎるとどうなるか、確かめたかったのです。
延長などは行われず、予定どおりにサービスは終了しました。
iPhone 4の後継モデルとなるiPhone 4sでは、側面パーツの分割方法を変更して、アンテナ問題が解消されています。