カセットテープを使ったことがない方のために、聞き方・再生方法を解説します。
カセットテープって何?
主に音楽用に使われた記録メディアです。
単に「カセット」と略して呼ばれることも多いです。
プラスチック製ケースの中に、リールに巻かれた磁気テープが収められた構造です。
専用の装置で磁気テープを読み取ることで、記録された音楽を聴くことができます。
音楽を再生するだけじゃなく、録音もできます。
テープの長さにより、録音できる時間が異なります。
「46分」「60分」「90分」「120分」などの種類があります。
家電店などに行くと、何も録音されていない空のカセットが販売されています。
アーティストの曲をいれて販売している音楽ソフトにも、カセットのものがあります。
聴くのに必要なもの・プレーヤーの種類
カセットを聞ける再生機・プレーヤーには、以下のものがあります。
ラジカセ
スピーカーも内蔵した、オール・イン・ワンのオーディオ機器です。
ラジオとカセットを聞ける「ラジオカセットプレーヤー」、略して「ラジカセ」です。
CDも聞けるタイプもあります。
録音機能を備えたものが一般的で、ラジオ番組やCDの音楽を、カセットに録音することができます。
カセットを入れる「デッキ」をふたつ備えた「ダブルラジカセ」なら、カセットからカセットへの「ダビング」もできます。
コンセントから電源を取るほかに、乾電池でも動かせるものが多く、災害時にラジオを聞くのにも役立ちます。
ポータブルカセットプレーヤー
ヘッドホンやイヤホンをつないで聞く、携帯型のプレーヤーです。
ソニーの商品名「ウォークマン」が代名詞のようになっています。
そのほか
システムコンポ用のカセットデッキ(アンプやスピーカーが別途必要)や、カセットプレーヤーを備えたカーステレオもあります。
A面とB面がある
カセットテープには、おもて面「A面」と、うら面「B面」があります。
60分のカセットテープなら、A面30分、B面30分です。
カセットテープの音楽ソフトの場合は、前半がA面、後半がB面に収録されています。
A面を最後まで再生したら、カセットを一旦取り出します。
裏返して入れ直すことで、B面をはじめから聞くことができます。
カセットプレーヤーの中には、「オートリバース」機能を備えたものがあります。
これはプレーヤーからカセットを取り出すことなく、A面もB面も聞ける機能です。
A面を最後まで再生したら、自動的に折り返して、B面の再生が始まります。
プレーヤーの使い方(聞き方)
カセットプレーヤーには一般的に、以下の機能があります。
- 再生
- 一時停止
- 停止
- 早送り
- 巻き戻し
- 録音
取り出しボタンを押すと、扉が開いてカセットを入れられます。
A面を聞くときは、A面を手前にしてカセットを入れます。
(カーステレオやカラオケ機器など、カセットをスリットに差し込んで入れるプレーヤーもあります)
カセットの下にテープが露出している部分と、プレーヤーの読み取りヘッドが、向き合うようにテープを入れます。
上の写真のように、テープを逆さまに入れるタイプも多いです。
再生ボタンを押すとリールが回転し、音楽が読み取られます。
A面を最後まで再生すると、テープが右のリールから左のリールに巻き取られた状態になります。
そのまま裏返すと、B面をはじめから聞けます。
テープの長さと収録時間が一致せず、A面・B面それぞれの終わりに、無音部分があるのが普通です。
カセットテープに録音する
カセットテープには、好きな音楽や音声などを録音できます。
プレーヤー(レコーダー)の機能によって、CDの音楽をカセットに「ダビング」したり、ラジオの内容を残したりできます。
カセットの内容を誤って消さないように、消去防止用の「ツメ」が上側面にあります。
このツメを折って取り外すと、上側面に穴があきます。
これでレコーダーで上書きされるのを防げます。
音楽ソフトとして販売されているカセットは、はじめからツメがなく、あやまって内容を消さないように配慮されています。
上側面の穴には、テープの種類を判別するための穴もあります。
詳しくはオンキヨー株式会社:オーディオ製品サポート情報>オーディオ製品の正しい取り扱い方を参照してください。
音楽をカセットテープにコピーするのは、違法じゃないの?
TSUTAYAやゲオなどのレンタルショップで借りたCDの音楽を、カセットに「ダビング」して私的に楽しむ場合は、日本では合法で問題ありません。
ダビングしたカセットを、友達にあげたり、メルカリなどで売ったりするのは、著作権法違反となります。
ノーマル、ハイポジ、メタル?
使われている素材を変えて、品質を上げたカセットが、かつては存在しました。
タイプⅡ(ハイポジ)やタイプⅣ(メタル)などです。
現在は、タイプⅠの「ノーマル」以外を目にすることは少ないでしょう。
ハイポジやメタルのカセットを聞くには、プレーヤーが対応している必要があります。
「メタル」という名前のせいで誤解されることがありますが、音楽のジャンルのことではありません。
「ノーマル」のカセットにも、ヘヴィメタルの音楽を録音できます。
カセットの内容をiPhoneにコピーして聞きたい
アイ・オー・データから販売されている「ADレコ(AD-1)」は、カセットやレコードなどのアナログプレーヤーと、iPhone/スマートフォンを接続して、録音するためのケーブルです。
iPhoneと接続するには、別途「Lightning – USB 3カメラアダプタ」も必要です。
取り込んだ音楽は、専用アプリ「CDレコミュージック」で再生します。
サンワサプライの「400-MEDI002」は、カセットの内容をMP3にできるプレーヤーです。
Windows PC用の編集・管理ソフトが付いてきます。
MP3をiPhoneに入れるには、パソコンのiTunesやApple Musicに取り込んで、音楽ライブラリを同期する必要があります。
ラジカセのスピーカーで再生して、iPhoneの「ボイスレコーダー」で録音するのが、いちばん簡単で外部機器も必要ありません。
補足
- カセットの中でテープがたるんでいる場合は、プレーヤーに入れる前に、リールを回して直してください。
- 「カセットテープ」には様々な種類があります。
VHSなどビデオテープも、「カセットテープ」の一種です。
このページで使っているような、音楽向けとして広く普及したタイプは、「コンパクトカセット」と分類されています。
参考:コンパクトカセット – Wikipedia