Appleが初代iPodを発表したのが、米国時間で2001年10月23日、日本時間で10月24日でした。
本日2021年10月24日で、ちょうど20周年となりました。
当時のプレスリリース:アップル、iPodを発表 – Apple
2011年の10周年のときに、「初代iPodを振り返る」として記事にまとめたのですが、それからもう10年も経つのですね。
はじめは「ありがとうiPod」という名前だった、このサイトを始めるきっかけとなったのが、初代iPodです。
私の人生を変えてくれたと言ってもいい、最も思い入れのあるApple製品です。
10年前の記事:iPod発表10周年記念企画・初代iPodを振り返る
この10年でiPodは役目を終えた
10周年の記事をまとめた3年後の2014年には、iPod classicが販売終了になりました。
2017年には、iPod nanoとiPod shuffleも販売終了となり、iPod touchだけが残りました。
現在の最新モデルは、2019年発売のiPod touch(第7世代)です。
そのiPod touchも年々、存在感が薄くなっています。
先日開催された10月の発表イベントのあとで、Apple公式サイトのいちばん上にあるメニューの構成が変わりました。
「Music」が廃止され、「AirPods」「TV & Home」などが新設されました。
それまで「Music」の中にあったiPod touchは、どのタブを探しても見当たらなくなりました。
現在は公式サイトのいちばん下にあるフッターの、「製品情報と購入」の中に、iPod touchのリンクがあります。
ファンとしては寂しいものがありますが、iPodの終息は仕方のないことです。
開発を続けたとしても、行き着く先は、結局は「iPhone」なのですから。
最初は「携帯音楽プレーヤー」だったiPodですが、世代を重ねるにつれて、アドレス帳、テキスト表示、写真表示、ビデオ再生、運動計測、ビデオカメラといった機能を追加して、進化をとげてきました。
iPhoneこそ、究極のiPodと言えます。
そういえばiPhoneの発表当初は、世間には「iPod機能付き携帯電話」と思われていました。
iPodはその役割を、iPhoneにバトンタッチしたのです。
iPodが無ければ今のAppleは無かった
iPodはAppleの歴史の中でも、もっとも重要な製品のひとつです。
当時のApple製ハードウェアはMacだけで、社名も「Appleコンピュータ」。
名実ともにパソコンメーカーだった当時のAppleが、唐突に発表したのが、携帯音楽プレーヤーのiPodでした。
iPod発売の2年半後には、iTunes Music Storeのサービスが開始されます。
1曲単位からでオンラインで音楽を買えるようになり、音楽ビジネスに変革をもたらしました。
iTunes Music Storeはその後、映画やテレビ番組なども扱うようになり、名前をiTunes Storeに変えます。
iPodが無ければ、iPhoneもこの世に生まれなかったのは周知の事実でしょう。
iPodから派生したiTunes Storeの成功も、現在Appleが展開している、様々なサブスクリプションサービスの足がかりとなっています。
大ヒット商品となっているAirPodsがあるのも、iPod用のイヤフォンの開発を続けてきたからこそです。
Appleの音楽革新は続く
先日開催された、2021年10月のAppleイベントのテーマは、「音楽とMac」でした。
Apple Music Voiceプラン、HomePod miniの新色、AirPods(第3世代)が発表されました。
関連記事:2021年10月のApple発表イベントのビデオを、公式サイトやApple TV、Podcastで配信開始
現在では毎年9月に、新しいiPhoneとApple Watchが発表されるのが恒例となっています。
かつてこの枠は、iPodの新モデル発表が行われていました。
こうして秋にまた音楽製品の話をしてくれることに、懐かしく感じ、嬉しくなってしまいました。
AirPods(第3世代)では、白いイヤフォンを身につけた人物のシルエットが踊るCMが流されました。
これは明らかに、かつてのiPodのCMをセルフオマージュしたものです。
新色追加でカラフルになったHomePod miniにも、iPodに初めてカラーバリエーションが登場したiPod miniを連想させられます。
iPodが登場したときのキャッチコピーは、有名な「ポケットに1,000曲」。
いまではポケットや腕時計から、9,000万曲にアクセスできるようになりました。
新しいApple Music Voiceプランなら、月々たったの480円です。
20年前に登場し、音楽の聴き方を変えてくれたiPod。
すっかり主流となったストリーミングサービスのApple Musicや、空間オーディオによる音楽、新しいAirPodsやAirPods Maxなど、近年もAppleによる音楽の革新は続いています。
iPodから始まったAppleと音楽の伝統は、こうして今も受け継がれています。