【編集後記】iPad(第10世代)とApple Pencil(第1世代)の不可解なペアリング方法は、Apple Pencil(第3世代)登場のサイン

iPad(第10世代)とApple Pencil(第1世代)の接続方法の図

今週は新しいiPadとiPad Proが発表されました。
中でも「無印」と呼ばれるスタンダードモデルのiPadは、第10世代目となる節目で、大きな進化を遂げました。
iPad Pro、iPad Air、iPad miniに続いて、ホームボタンを廃止し、USB-C端子を採用したスタイルに変わったのです。

iPad(第10世代)に対応するApple Pencilは第1世代

これまでのホームボタンが無いiPadには、Apple Pencilの第2世代が対応していました。
iPadの側面に、Apple Pencil(第2世代)をマグネットで吸着させることで、ペアリングと充電ができます。
このタイプのiPadの充電端子はUSB-Cなので、Lightning接続のApple Pencil(第1世代)とペアリングさせることはできません。

しかし新しいiPad(第10世代)は、USB-C端子搭載にも関わらず、対応するApple Pencilは第1世代なのです。
ではどうやってペアリングするのか?
Appleはこのために、新しい変換アダプタ「USB-C – Apple Pencilアダプタ」を用意しました。

iPad(第10世代)とApple Pencil(第1世代)の接続方法の図

一方がUSB-Cメス、もう一方がLightningメスになっているアダプタです。
USB-Cケーブルを併用することで、iPad(第10世代)とApple Pencil(第1世代)を接続できるのです。
アダプタは単品販売されるほか、Apple Pencil(第1世代)に同梱もされるようになっています。

これで良いはずがない

Apple Pencilの優れた点のひとつとして、「物理的に接触させたiPadとペアリングする」という、わかりやすさがあります。

Apple Pencil(第1世代)の接続方法の図

Lightning端子を備えたiPadなら、Apple Pencil(第1世代)をさしこみます。
USB-CのiPadなら、Apple Pencil(第2世代)を側面にくっつけます。
同時に充電もしてくれます。
iPadはこの仕様のおかげで、Bluetooth機器であるということを、ほとんど意識せずに使えます。

Apple Pencil(第2世代)の接続方法の図

iPadのLightning端子に差し込む方法を、わらうひともネット上にはいますが、これ以外考えられないスマートな設計だったと思います。
これは最短15秒間さして充電するだけで、30分も使えるんですよ。

しかしiPad(第10世代)とApple Pencil(第1世代)では、接続にアダプタが必須になってしまいました。
アダプタを噛ませるだけならまだしも、間にUSB-Cケーブルも必要です。
これではApple Pencilならではの、わかりやすさ・使いやすさが失われてしまっています。

これからのスタンダードモデルになるiPad(第10世代)で、Apple Pencilがこんなに使いにくいなんて、これで良いはずがありません。
Appleが何も考えずに、こんな仕様を採用するでしょうか?
私はこの仕様は、第3世代となる次のApple Pencilが登場するまでの、とりあえずの「つなぎ」ではないかと考えています。

Apple Pencil(第3世代)はこうなる?

iPad(第10世代)は、横向きに置いたとき上部中央に当たる位置に、FaceTimeカメラが移動しています。
そのせいで、この位置のApple Pencil用のマグネット接続端子を内蔵できなかったとも推測されています。
将来のiPad ProやiPad Airも、同じところにカメラが移動することが考えらます。

上でApple Pencilの優位性として紹介した「物理的に接触させたiPadとペアリングする」には、ハードウェアがそのために設計されている必要があります。
新しいApple Pencil(第3世代)はもう1歩進んで、ハードウェアの制約を少なくし、できるだけ幅広いモデルに対応するようになると予想しています。

Apple Pencil(第3世代)

たとえばApple Pencilのペン先を、画面に当てるだけでペアリングが完了し、使えるようになるかもしれません。
AirPodsと同様に、同じiCloudアカウントでログインしている端末間で、自由に使えるようになる気がします。
「探す」ネットワークにも対応します。

iPadと接続して充電する方法はなくなるかわりに、さまざまなワイヤレス充電の方法に対応するでしょう。
AirPods Pro(第3世代)と同じように、Qiワイヤレス充電器、MagSafe充電器、Apple Watch磁気充電端子で充電できるようになれば便利です。
みんながこれらのワイヤレス充電器を持っているわけではないので、USB-Cケーブルに接続して使える、ワイヤレス充電アダプタが同梱されるでしょう。
このApple Pencilなら、iPhoneに対応させるのも容易でしょう

こんなApple Pencilが登場したら、iPad(第10世代)の唯一の欠点が解消されて、素晴らしいモデルになると思いませんか?

Apple Pencilは2015年11月に、初代iPad Proと同時に発売されました。
第2世代はその3年後の、2018年11月に発売されています。
それから4年も経過しているので、そろそろ第3世代目となる新モデルが登場してもおかしくない時期になっています。

LINEMO