【レビュー】GRAPHT STANDARD Real Wood Case for iPhone 14 Pro：飛騨高山の職人による手彫りの木製ケース

MSY株式会社のGRAPHT STANDARDブランドから発売されている、iPhone 14 Pro用の「Real Wood Case」をレビューします。
岐阜・飛騨高山の木工職人が手彫りで製作した、天然木製のケースです。
iPhone 13 Proにも対応しています。
iPhone 13/14用も発売中です。
レビューにはメーカー提供の評価用サンプルを使用しています。

▲ MSYの「Real Wood Case」は2010年にiPhone 3G/3GS用で初登場した、10年以上の歴史を持つシリーズです。
2015年のiPhone 6/6s用を最後に、一旦開発終了されていましたが、2021年にiPhone 12/12 Pro用として6年ぶりに復活しました。
以来iPhone 13/13 Pro用、14/14 Pro用とリリースされてきています。

▲ iPhone用のケースとしては、分厚くて、高価で、素材も特殊です。
実用性やコストパフォーマンスを考えるなら、量販店などで手に入る一般的なケースに劣ります。
しかしこの製品は「伝統工芸技術を持ち歩く」「持ち歩くアート作品」というコンセプトで作られた、ほかのケースとは一線を画すものです。
iPhoneに装着することで、飛騨高山の伝統技術で作られた木工芸品に毎日触れることができます。
開発にいたった背景や思想は、メーカー公式サイトの特集記事で詳しく紹介されています。

公式サイト：飛騨高山の伝統工芸技術を施した、アートを纏うスマホケース「Real Wood Case」 – GRAPHT OFFICIAL STORE

▲ 上下2分割構造の木製ケースです。
材木と表面処理が異なる、4種類がラインナップされています。

くるみ材（オイル仕上げ）
いちい材（オイル仕上げ）
さくら材（オイル仕上げ）
かえで材（藍染仕上げ）

このページでは藍染の「かえで」を使用しています。

▲ 異なる材木を使用したジョイントが、上下のパーツを繋ぎ合わせます。
木の反りや割れを防止する、伝統的な木工技術「さね」を採用したものです。

▲ iPhoneをスライドさせて装着させる際に、突き出たカメラレンズ部分にスペースが必要になります。
そのスペースにジョイントを配置した、練られた設計がされています。
iPhoneの背面が接する部分には、フェルト状の生地が貼られています。

▲ まず上のパーツにiPhoneをスライドさせて装着します。
しっかり奥まで差し込んでおきます。
それから下のパーツを被せます。
ぴったりのサイズで、装着はキツめです。
保護フィルム類は併用できません。

▲ iPhone 14 Proのシルバーモデルに装着したところ。
無機質な板状のiPhoneが、木工芸品に変身します。
2分割されたパーツが隙間なくぴったりと接合し、木目も合っています。
この「藍染」は、日本古来の自然染色技術「天然灰汁醗酵建本藍染」で仕上げてあるとのこと。

▲ 彫刻のあとを残した伝統技法「一位一刀彫」で仕上げられています。
荒っぽく彫ったように見えますが、美しい幾何学的な六角形が、規則的に現れています。
丁寧に、慎重に作られているのが伺えます。

▲ iPhone 3Gのような、ふっくらとした丸みをおびた形状で、手にフィットします。
いちばん高いところは、平たくなっています。
デスクなどに置くと水平になり、ガタガタしません。
厚みがあるために、ワイヤレス充電やMagSafe充電は使用できません。
ほとんどの車載ホルダーなども使えそうにありません。

▲ 前面は画面表示部分とほぼ同じ大きさに開けられています。
画面の端の方にタッチしにくくなりますが、実際の使ってみる限り、それほど問題は感じませんでした。
上部の電話受話口や各種センサー部分は、広めに開けられています。

▲ 消音スイッチと音量ボタン部分は、前面側を残して、背面側を本体とツライチまで彫り込んであります。
スイッチもボタンも操作しやすいです。

▲ 反対側のサイドボタンも同じで、問題なく操作できます。

▲ 底部の充電コネクタ（Lightning端子）とスピーカー、マイク部分は、それぞれ穴あけされています。
厚みがあるために穴が深いですが、純正の充電ケーブルを問題なく抜き差しできます。

▲ iPhone 14 Pro用は、iPhone 13 Proにも対応しています。
これはiPhone 13 Proに装着したところ。
カメラレンズユニットの大きさがiPhone 14 Proとは違うので、余白ができますが、それほど違和感がありません。
厚みが0.2ミリ薄いだけで、iPhone 13 Proの方がスムーズに着脱でき、設計精度の高さを実感します。