【編集後記】Apple Vision Proのデザインの元ネタを探してみた

ARで表示したApple Vision Proと、従来のApple製品を並べた写真

WWDCでApple Vision Proが発表されましたね。
Appleシリコンの採用や、高性能のカメラ、LiDARスキャナによる空間認識など、AppleがiPhoneやMacなどで培ってきた技術を結集させて、新しい「空間コンピュータ」が作り上げられています。
日本での発売が待ち遠しいです。

Apple Vision Pro

外側のデザインにも、これまでのApple製品で見覚えのあるパーツや素材が使われているので、元ネタ・ルーツを探してみました。

いちばんテイストが似ているのは、AirPods Maxです。

Apple Vision Pro

AirPods Max

丸みをおびたアルミニウムの筐体や、Digital Crown、ボタンの作りがそっくりです。
アルミの筐体と、皮膚に当てるファブリック製パッドを、マグネットで固定する仕掛けも同じです。
このDigital Crownとボタンは、ルーツを辿るとApple Watchから持ってきたものです。

Apple Vision Pro

Apple Watch Ultra

排熱孔と思われる、エンクロージャー底部に開けられたパンチ穴は、Apple Watch Ultraのスピーカーに似ています。

耳の上にくる部分の、スピーカーを搭載した「オーディオストラップ」は、おそらくポリウレタン製です。

Apple Vision Pro

ポリウレタン製のアクセサリ

白いポリウレタン素材は、iPad用のSmat Cover/Smart Folioや、AirPods Max用のSmart Case、MagSafeデュアル充電パッド、Apple Watch磁気充電ドックなどのアクセサリで採用されています。

顔に当てるライトシール(Light Seal)と、後頭部で押さえるヘッドバンドには、柔軟性、伸縮性のあるファブリック素材が使われています。

Apple Vision Pro

HomePodとAirPods Max

直接的に似ている作りのものはありませんが、AirPods Maxのイヤーパッドや、HomePodシリーズの外装などで培った製法が使われていると思われます。

Apple Vision Pro

ヘッドバンドを調整するためのフィットダイヤルも、Digital Crownを大きくしたような見た目になっています。

オーディオストラップとヘッドバンドを接続する部分の内側には、Apple Watch Ultra向けバンド「トレイルループ」に似たリボンが取り付けられています。

Apple Vision Pro

Apple Watch Ultraとトレイルループバンド

Apple Vision Proのも、福井県の井上リボン工業が手掛けているのでしょうか?

ヘッドバンドやライトシールは、自分に合ったサイズを選べるようです。

Apple Vision Pro

AirPods Max

ヘッドバンドのサイズ表記が、ファブリックの織り目で表現されていました。
これはAirPods Max用イヤーパッドの、「L」「R」表記で見られる手法です。

左側のオーディオストラップには、外部バッテリーを接続する端子があります。
Apple Watchの磁気充電ケーブルに似ています。

Apple Vision Pro

Apple Watch 磁気充電ケーブル

編組ケーブルも、一部のモデルに付属するLightningケーブルやApple Watch磁気充電ケーブル、HomePodの電源ケーブル、Thunderbolt 4 Proケーブルなどに見られます。

Apple Vision Proの電源ケーブルは、MagSafe充電器や磁気充電端子と違って、マグネットだけで吸着しているわけではなく、接続してからひねるとロックされる構造のようです。

最後にバッテリーパックですが、このようなシルバーアルミニウムの丸みをおびた箱は、意外にも見覚えがありません。
似ているとしたら、iPod touchやApple TV Remote(Siri Remote)でしょうか。

代替

代替

このバッテリーパックは、無垢のアルミブロックみたいな外観ですが、見えていない裏側に蓋がある気がします。

以上です。
今回は外側の「見た目」についてだけ取り上げました。
中身のソフトウェア「visionOS」にも、Macのような半透明ウインドウや、Apple WatchやiPod nanoのような丸いアイコンといった、従来のApple製品からのデザインが使われています。

Apple Vision Proをすみずみまで観察できるARオブジェクトが、公式サイトで公開されています。

公式サイト:Apple Vision Pro – Apple

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