【編集後記】新しいiPad Air/Proでは「第◯世代」から「M2」「M4」呼びに。その背景を解説

iPad Pro M4の名前をApple Pencilで書いている図

新しいiPadは「第5世代」「第6世代」という呼び方から、「M2」「M4」に変わり、わかりやすくなりました。

世代で呼び分けられるiPad

iPhoneでは「iPhone 14」「iPhone 15」という名前が使われていますが、Appleはモデルチェンジした機種を区別するために「第1世代」「第2世代」と呼び分けることがあります。
「2024」のように発売年をつければいいのに、と思われる方もいるかもしれません。
Macの分類だとそういう例もあります。
しかしAppleは同じ年に2回アップデートすることもあり、そのような場合は「Early 2011」「Late 2011」のように、「前期」「後期」も加える必要がでてきます。
やはり世代での分け方が便利だったのでしょう。

チップで呼び分けられるiPad

先日の2024年5月のイベントでお披露目された、新しいiPad ProとiPad Airでは、この「世代」呼びが廃止されました。
今回は「11インチiPad Air(M2)」「13インチiPad Pro(M4)」のように、チップの種類で区別されるようになりました。

目次

iPad Proのジェネレーションギャップ

2022年のiPad Proの名前

ご存知の方も多いと思いますが、前のモデルとなる2022年発売のiPad Proは、11インチが「第4世代」、12.9インチが「第6世代」と、ズレがあったのです。
どうしてズレが生じたのか、この機会に振り返ってみます。

iPad Proがはじめて登場した2015年は、12.9インチの1サイズのみでした。
翌2016年に9.7インチが追加発売され、2モデル体制になります。

2017年には12.9インチ(第2世代)と、9.7インチを置き換える形で10.5インチが発売されます。

2018年にはホームボタンが廃止された、現在のスタイルになります。
大きい方は12.9インチ(第3世代)、小さい方はまたサイズアップして11インチとなります。

以降は画面サイズが変わらず、以下のように世代が進みます。

  • 2020年:12.9インチ(第4世代)/11インチ(第2世代)
  • 2021年:12.9インチ(第5世代)/11インチ(第3世代)
  • 2022年:12.9インチ(第6世代)/11インチ(第4世代)

このような理由で、2つのサイズで性能が同じなのに、「世代」にズレが生じました。
「同年代」かつ「同性能」なのに、「世代」が違うのが、わかりにくくて不便だと私は感じていました。

新しいiPad AirとiPad Proも「世代」で呼んだらどうなる?

いままでの例にならって、今年のiPad Air(M2)とiPad Pro(M4)にも「世代」呼びを採用していたら、どうなるでしょうか?
試しに書いてみます。
iPad Airは今回はじめて2サイズになったために、「iPad Air(第6世代)」とは呼べなくなりました。

iPad Air(M2)の場合

  • 11インチiPad Air(第1世代)
  • 13インチiPad Air(第1世代)

iPad Pro(M4)の場合

  • 11インチiPad Pro(第5世代)
  • 13インチiPad Pro(第1世代)

新しいサイズ表記になったiPad Airは、世代が若返って、進化を重ねた印象がなくなってしまいました。
iPad Proは、世代のズレがさらに大きくなってしまいました。

そもそも11インチiPad Airは「第1世代」なのか? という問題もあります。
実は11インチiPad Air(M2)の画面サイズは、10.9インチのiPad Air(第5世代)から変わっていません。
今回から小数点以下は四捨五入することにしたようです。

13インチiPad Air(M2)は、正確には12.9インチです。
11インチのiPad Pro(M4)は、実際にはちょっと大きめで11.1インチあります。
13インチiPad Proは、ぴったり13インチです。

今回の「M2」「M4」のように、チップで呼び分ける方が、やはり便利そうです。
同じ性能の「同年代」なのに「世代」が違ったり、画面サイズがちょっと変わるたびに第1世代から数えなおすことが無くなります。
iPadには「A12X」「A12Z」なんていう、どっちが良いのかわかりにくいチップが採用されていたことがあります。
現在はAppleシリコンに移行したことで、シンプルな名称をつけることができます。

世代の呼び方は変わる可能性も

iPadも過去には、「iPad 2」「iPad Air 2」のように、iPhoneと同様にナンバーが付けられることがありました。

新しいiPad

2012年にiPad 2の後継モデルが発売された際には、Appleは「iPad 3」ではなく「新しいiPad」と呼んでいました。
サードパーティー各社も「新しいiPad用ケース」を発売したりして、次のiPadが出たらどうするんだと混乱を招きました。
この「新しいiPad」は、のちに正式に「iPad(第3世代)」となります。

iPod touch(第2世代)のマイナーチェンジ版として発売された「iPod touch (Late 2009)」は、後になってから「iPod touch(第3世代)」に分類が変わりました。

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