【編集後記】Apple Gift Cardがステッカー無しにリニューアル。より環境に優しく、セキュリティも強化

Apple Gift Card

コンビニや家電量販店などで販売されているApple Gift Cardのリニューアルが始まっているようです。

Apple Gift Card

いまのところセブン-イレブンでしか確認できていませんが、ステッカーが付属しない新パッケージに入れ替わっていました。
Xにて、AppleファンのNaoさんの投稿で初めて知りました。

いままでと変わっていないように見えて、実は形態が新しくなっています。

目次

仕様変更するふたつの理由

どうして変える必要があるのか? 理由はふたつ考えられます。

1)環境への配慮

Apple Gift Card

ひとつは環境への配慮。
付属のステッカーをなくすだけで、製造、輸送、廃棄で発生する環境負荷を減らせます。
従来はiPhoneやMacなどのハードウェアに付属していた、伝統的なAppleマークのステッカーも、近年は省かれていますよね。

Apple Gift Card

Appleは2030年までに炭素排出量を実質ゼロにするという目標を、2020年から掲げています。
タイムリミットが近づいていることもあり、削れるものは削っていく方針なのでしょう。

2)不正な差し替え防止

もうひとつの理由は、店頭での不正な差し替え・すり替えを防止するセキュリティ強化です。

Apple Gift Card

従来のApple Gift Cardは、店舗で使うバーコードが外側に。チャージに使うコード本体が内側にありました。
Apple Gift Cardなどの「POSAカード」は、レジでバーコードをスキャンして、支払いを受けることで「アクティベーション」されて、コードが有効化されます。
たとえカードを万引きしても、レジを通していないので、アクティベーション・有効化されていないコードは使えない仕掛けです。

このシステムは安全に思えますが、ギフトカードの中身をすり替える不正ができる抜け道があるようです。

想像するに、このような手口なのでしょう。

まずApple Gift Cardを2つ、お店の棚から盗み出して、中身を入れ替えます。
ひとつはお店の棚に戻して、もうひとつは手元に持っておきます。
お店に置いた方のカードを、誰かがレジに持っていって支払いをすることで、手元に持っていた方のコードが有効化されるというわけです。

Apple Gift Card

いままでのApple Gift Cardは、テープで封をされた封筒型で、中身の入れ替えが比較的簡単に行える形でした。
また、アクティベーション用のバーコードが封筒に。コード本体は中の用紙に記載されていました。
この形態により、レジで使うアクティベーション用バーコードと、実際のコードのペアを組み換える不正ができました。
さまざまなPOSAカードの中でも、ステッカーのおまけが付属するApple Gift Cardだけの脆弱性だったかもしれません。

新しいものは台紙を破壊しないと、バーコードにもコード本体にもアクセスできなくなっています。
前述のような手口での、入れ替えや貼り替えが難しいように改善されています。
バーコードとギフトコード本体も、両方が1枚のカード上に印刷されていて、「組み換え」できません。

新しいギフトカードはどうなってる?

Apple Gift Card

従来(写真右)は封筒にAppleマーク型の型抜きがされていて、中のステッカーのデザインが見えるスタイルでした。
新しいもの(同左)は、封筒の上にAppleマークがプリントされています。
什器に吊るすためのタブ部分は、切り離せないようになりました。

Apple Gift Card

裏側にチョコレート菓子の箱のようなミシン目があり、バーコードが隠されています。
「店員の方へ:販売時に店員がラベルをはがしてバーコードをスキャンしてください」
「パッケージが破損していたり開封されている場合は、販売または購入しないでください」
と記載されています。

Apple Gift Card

購入すると、このような形で渡されます。

Apple Gift Card

台紙を破いて開くと、中からギフトカード本体が出てきます。
これはちょっとわかりにくです。
初めて使う方は、購入した後どうしたらいいのか迷う気がします。

Apple Gift Card

出てきたカードがこちら。
封筒に包まれていたのに、コード本体がさらに目隠しされています。
誰かにプレゼントするとしたら、このカードの状態で渡すことになるでしょう。
かつてのiTunes Cardのようなプラスチックではなく、紙製です。

Apple Gift Card

裏側はこのようになっています。

Apple Gift Card

コードを隠している銀テープは、細い渦巻状に剥がれます。
いちど剥がしたものを、元に戻せないように配慮してあります。

Apple Gift Card

そういえば封筒も、外周に×型の切り込みが施されています。
貼り合わせてある紙を慎重に剥がして、中身を入れ替えようとしても、破けてしまって修復は難しいでしょう。

Apple Gift Card

コードの読み込みは、いままでと同じです。
App Storeアプリなどで「ギフトカードまたはコードを使う」から、iPhoneのカメラでスキャンするのが簡単です。

心情としては寂しい

コンビニのレジでチャージ

Appleは2023年から、物理的なカードを購入することなく、コンビニのレジでApple Account残高にチャージできるサービスを始めています。
セブン-イレブンから始まり、現在はファミマとローソンにも拡大しています。
使い捨ての紙媒体で売るよりも、ずっと環境にやさしいですよね。

iTunes Card

2005年にiTuens Music Storeが日本に上陸してから、ずっとカードやステッカーをコレクションしてきた私にとっては、ステッカーがなくなるのは寂しさを感じます。
デザインを選んで買ったり、バリエーションの違いを眺めるのは楽しいです。

Apple Gift Card

とはいえ、こういう記念品が欲しくなるのは、このようなサイトの記事を読んでいるあなたや私のような、一部のAppleファンだけなのでしょう。
ギフトカード購入者の大部分を占める「ふつうのiPhoneユーザー」にとっては、言ってしまえば「ゴミになるだけ」だったのかもしれません。

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