2002年に発売された、iPodの第2世代モデル「iPod (Touch Wheel)」について解説します。
「第2世代iPod」「iPod(第2世代)」「iPod with Touch wheel」「2G」「タッチホイール」とも表記されることがあります。
iPod (Touch Wheel)の登場により、第1世代には分類のための名前「iPod (Scroll Wheel)」が付けられます。
エントリーモデルとして、第1世代のiPod (Scroll Wheel)の5GBモデルも併売されました。
第1世代のiPodは、ホイール部分が物理的に回転する「メカニカルホイール」でした。
このホイールをタッチセンサー式にしたのが、第2世代iPodの「タッチホイール」です。
タッチセンサー式にすることで、ホイールが緩くなったりする物理的な故障を防げるようになります。
可動部分をなくすことで、薄型化できるメリットもあります。
第2世代の10GBモデルは、第1世代の同容量モデルよりも10%、1.5mm薄くなっています。
第1世代と比較して、FireWireポートのカバーの追加や、ホールドスイッチのデザインの変更、刻印のフォントの変更といった変化もあります。
Appleのモデル番号は「A1019」です。
iPod (Touch Wheel)の来歴
- 2002年7月18日:iTunes 3と同時に発表
- 2002年8月9日:Mac版発売
- 2002年9月18日:Window版発売(当初の予定は8月下旬発売)
- 2003年4月29日:第3世代iPodが発表され、販売終了
キャッチコピー
- 新しいiPodファミリーをご紹介します。
- Introducing the new iPod family.
iPod (Touch Wheel)の種類
10GBモデル・20GBモデルに、それぞれMac用・Windows用の2種類があります。
- 10GBモデル:47,800円(税別)
- Mac用:M8737J/A
- Windows用:M8740J/A
- 20GBモデル:59,800円(税別)
- Mac用:M8738J/A
- Windows用:M8741J/A
同時期に併売されていた5GBモデルは、第1世代にあたります。
iPod (Touch Wheel)の仕様
- サイズ
- 10GB:高さ101.6mm × 幅61.4mm × 厚さ18.4mm
- 20GB:高さ101.6mm × 幅61.4mm × 厚さ21.4mm
- 重量
- 10GB:185g
- 10GB:204g
- 接続端子:FireWire(IEEE 1394a)
- ディスプレイ:2インチ・160×128ピクセル
- 付属品
- リモコン
- iPodキャリングケース(ベルトクリップ付き)
- インナーイヤー型ヘッドフォン
- FireWireケーブル
- 電源アダプタ(FireWire)
- CD-ROM(iTunes/Windows版はMUSICMATCH Jukebox)
- FireWire 4pin-6pin変換コネクタ(Windows版のみ)
- 別売りオプション
- キャリングケース(ベルトクリップ付き)(M8781G/A)4,800円
- iPod インナーイヤー型ヘッドフォン(リモコン付き)(M8751G/A)4,800円
- Apple FireWireケーブル(6ピン‐6ピン、0.5m)(M8633G/B)
- Apple FireWireケーブル(6ピン‐6ピン、2m)(M8634G/B)
- Apple FireWireケーブル(4ピン‐6ピン、2m)(M8635G/A)
- Apple iPod電源アダプタ(2mのFireWireケーブル付き)(M8636J/A)5,800円
- ワールドトラベルアダプタキット(M8794G/A)4,800円
- ソフトウェアの最終バージョンは1.5(iPod Updater 2005-02-22で提供)
第1世代(Scroll Wheel)と第2世代(Touch Wheel)の違い・見分け方
見た目がほぼ同じことから、第2世代iPod(Touch Wheel)でも「初代」「第1世代」として中古市場に出回っていることがあります。
しかし第2世代は、初代ではなく2代目にあたります。
以下のパーツに注目することで、第1世代と第2世代を見分けられます。
ホイール
第1世代の「スクロールホイール」は機械式ホイールで、物理的にくるくる回転します。
一方の第2世代の「タッチホイール」はタッチセンサー式で、指を回すようになぞって操作します。
ホイールに触ってみて、パーツが回転すれば第1世代、回らなければ第2世代です。
FireWireポート
第1世代のFireWireポートは剥き出しです。
第2世代はここに、カバーがつけられています。
ただしこの蓋のパーツは、外れて紛失されている場合があります。
端子の横にスリットがあれば、蓋がついていた名残りです。
ホールドスイッチ
第1世代と第2世代では、ホールドスイッチの滑り止めの突起の位置が異なります。
第1世代はスイッチの端に、第2世代は中央にあります。
ホールド状態のときに見える、オレンジ色の塗り方も異なります。
フォント
iPodの第1世代と第2世代が発売された時期は、Appleは広告やサイトに使うフォント(書体)を変更していた過渡期でした。
そのため第1世代と第2世代では、背面の「iPod」の刻印文字のフォントが違うことになりました。
歴代のiPodで第1世代にだけ、「Apple Garamond」と呼ばれるセリフ体のフォントが使われています。
第2世代以降は、サンセリフ体のフォント「Myriad」が使われるようになりました。
関連リンク・参考資料
プレスリリース
- アップル、iPodの新ラインアップを発表 – Apple(2002年7月17日)
- アップル、iTunes 3を発表 – Apple (2002年7月17日)
- アップル、iSyncを発表 – Apple(2002年7月17日)
- BurtonとアップルがBurton Ampジャケットを発表 – Apple(2003年1月7日・iPodリモコン機能付きのスノーボード用ジャケット)
- アップル、iPodの新ラインアップを発表 – Apple(2003年4月29日・第3世代の発表により、第1/第2世代は販売終了)
コンテンツ
- iPod のモデルの調べ方 – Apple サポート
- iPod (5GB/10GB/20GB) – 技術仕様
- iPod (Original) ユーザーズガイド(PDF)
- Apple – iPod(発売当時の公式サイトのInternet Archive)
- iPod 第2世代 修理 – iFixit