【編集後記】Apple Store札幌の閉店から8年。大通公園のど真ん中に新店舗が建つ夢想をする

札幌市の大通公園

2016年2月26日にApple Store札幌が閉店してから、8年が経ちました。

おさらいすると、同店は入居しているビルの再開発のために「移転」するとして、移転先未定のままで閉店しました。

「移転先を探して再開を目指す」「より利用しやすい場所で再び開業したい」というAppleのコメントが、閉店後に地元紙で伝えられました。

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「5年計画」発表から5年10か月が経過

2018年4月にApple新宿がオープンした際に、Appleは「5年計画」として、国内の直営店を新規オープン・リニューアルすることを明らかにしました。
札幌への再出店も期待していましたが、計画発表から6年近くが経過した現在、実現していません。

Apple Store

「5年」といっても、1年8か月の間に集中的に動きがありました。
この期間に4店舗が新規開店(新宿・京都・丸の内・川崎)、3店舗がリニューアルし、1店舗が閉店(仙台一番町)しました。
計画発表から4年4か月が経過した2022年8月には、Apple銀座が建て替えのために、仮店舗に移転しました。

今後数年で国内ストアに新たな動き?

Appleが“2027年までにアジア太平洋地域に15店舗(中略)の新規出店を議論している”と、2023年6月にBloombergで伝えられました。

事情に詳しい複数の関係者によると、アップルは2027年までにアジア太平洋地域に15店舗、欧州・中東に5店舗、米国とカナダに4店舗の新規出店を議論している。また、アジアで6店舗、欧州で9店舗、北米で13店舗の改装または移転を目指しているという。関係者が情報は非公開だとして匿名を条件に語った。合計では今後4年間に53店舗の新規出店や移転、改装を計画している。

引用元:アップル、小売り強化で中国とインドへ進出拡大-横浜に新店舗も計画 – Bloomberg(2023年6月2日)

この話の中には、日本のApple Storeの新規開店・リニューアルも含まれています。
以下に抜き出してみます。

  • 大阪 心斎橋(改装):2024年4月
  • 大阪 梅田・グランフロント(新規):2024年9月
  • 東京 銀座(改装):2025年9月
  • 東京 渋谷マルイ(移転):2026年5月(提案段階)
  • 神奈川 横浜(新規):2026年9月(提案段階)

心斎橋と銀座の改装はすでに進んでいる話なので置いておくとして、梅田のグランフロント大阪と、横浜に新店舗ができ、Apple渋谷が改装工事中の渋谷マルイに移転するというのです。

匿名情報の噂段階ではあるものの、上海のApple浦东(Pudong)が実際に改装に入ったりなど、出鱈目な話ではなさそうです。

Apple渋谷

大規模リニューアルしたばかりのApple渋谷が移転するというのは疑問にも思われますが、移転先とされている2026年完成の渋谷マルイは、環境に配慮した『日本初の本格的な木造商業施設』で『リードデザイナーはFoster+Partnersが担当』するのだそうです。

参考:日本初の本格的な木造商業施設 誕生へ -2026 年、渋谷マルイが生まれ変わります-(2022年5月27日)

木造商業施設といえば、現在Apple銀座が仮店舗が入居しているビル「GINZA 8」は、「日本初の耐火木造12階建て商業施設」でした。
建設デザイン会社のFoster+Partners(フォスター・アンド・パートナーズ)は、Apple丸の内など数々の店舗を手がけていることで知られています。
Apple渋谷がこの新しい建物に移転しても、不思議ではありません。

大阪・梅田に新店舗ができる可能性は、5年計画が動き出した2018年4月に、このサイトアイアリで取り上げたことがあります。
グランフロント大阪の、2022年2月に閉館した「パナソニックセンター大阪」の跡地が有力と見られていますが、今年9月にApple Storeがオープンしそうな雰囲気は無さそうに思えます。

参考:パナソニック、大阪・東京の展示場を閉館 22年2月 – 日本経済新聞(2021年9月15日)

横浜に新店舗ができるとしたら、川崎に続く神奈川県での2店舗目になります。

この情報の中には、札幌の話は含まれていません。
では札幌に再オープンする見込みはないのでしょうか?

札幌・大通公園の中にApple Storeができる?

かつてのApple Store札幌

かつてのApple Store札幌は、札幌市の大通公園の周辺である「大通エリア」にありました。
私はいま、復活する「Apple札幌」が「大通公園」そのものの中にできるのを夢想しています。

というのも昨年6月に、札幌市が大通公園の再整備・大改修を計画していると報道されたのです。

参考:大通公園30年ぶり大改修へ 札幌市、民間資本を活用 常設店募り収益で整備:北海道新聞デジタル(2023年6月24日)

費用の捻出のために、民間の事業者と協力して公園を整備する、「Park-PFI(公募設置管理制度)」を活用する動きがあるのです。
Park-PFIは2017年に新設された新しい制度です。
渋谷のMIYASHITA PARKや、名古屋の久屋大通公園などが、同制度を利用して、民間の資本により整備されています。

参考:Park-PFI – Wikipedia

Appleにはぜひ、札幌・大通公園のPark-PFIの民間事業者として手を挙げていただきたいです!

Appleが公園の整備に協力して、Apple Storeを建てるのは、海外で実例がいくつもあります。

たとえば米国シカゴにあるApple Michigan Avenueは、シカゴ市と協力して歴史的な広場を整備し、景観と一体化した店舗が建てられています。

参考:Apple Michigan Avenue、シカゴのリバーフロント地区に明日オープン – Apple

Apple Piazza Liberty

イタリア・ミラノのApple Piazza Libertyは、公共の広場の中心に噴水を造り、その地下に店舗があります。

参考:Apple Piazza Liberty opens Thursday in Milan – Apple

公園以外にも、歴史的建造物を保存のために修復し、Apple Storeにする取り組みを世界で行なっています。

どうでしょう、大通公園の中心に、新しいApple Storeが帰ってくる未来が見えてきませんか?
大通公園は札幌市民の憩いの場であり、観光の人気スポットでもあります。
札幌市の中心部でアクセスもよく、地下街・地下鉄とも繋がっていて便利です。
世界的に有名な雪まつりなど、年間を通じてさまざまなイベントが催されます。
実際の店舗はミラノのように地下でいいので、ぜひここに新店舗を作ってほしいです。

大通公園

Apple Store再出店のきっかけになりそうだったオリンピック開催は絶望的になりましたが、将来の新幹線の札幌延伸に向けて、札幌中心部は再開発が進んでいます。
閉店から8年も動きがなかったけれど、大通公園の中にできるのなら、10年でも待った甲斐があったと思えます。
世界に自慢できる、素敵なストアに生まれ変わって戻ってきてほしいです。

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