今週は空間オーディオ対応コンテンツに関するニュースが、3つもありました。
Appleは「空間オーディオ」(Spatial Audio)という呼び方でサラウンドを展開しています。
2020年9月のiOS 14/iPadOS 14で、AirPods Pro + 映画などで利用可能になったのが始まりです。
2021年6月には、Apple Musicの音楽が空間オーディオに対応しました。
まず最初のニュースは、Official髭男dismのアルバムが空間オーディオに対応したこと。
これまでJ-Popの空間オーディオ対応作品は、Adoの「うっせぇわ」のような、ごく限られた楽曲だけでした。
8月18日にリリースされたOfficial髭男dismのニューアルバム「Editorial」は、全楽曲が空間オーディオに対応しています。
同時に2枚の旧譜も、空間オーディオ対応にリマスタリングされています。
空間オーディオで聴けるのは、Apple Musicだけです。
関連記事:Official髭男dismのニューアルバム「Editorial」空間オーディオ対応でApple Musicで配信開始
もうひとつのニュースは、Netflixの空間オーディオ対応です。
iPhoneまたはiPadで、AirPods ProまたはAirPods Maxを使うことで、対応コンテンツを空間オーディオで楽しめます。
顔の向きを認識して、画面の方から音が聞こえるように制御するダイナミックヘッドトラッキングにも対応しているようです。
参考:Netflixがアップル「空間オーディオ」に対応。AirPodsでサラウンド再生可能に – PHILE WEB(8月19日)
3つめは、Apple Arcadeゲームの空間オーディオ対応です。
今週リリースされた新作ゲーム「Tetris Beat」は、“AirPods Pro & AirPods MaxのSpatial Audioに対応”とアナウンスされています。
このゲームは「テトリス+リズムゲーム」で、楽曲を空間オーディオで聴くことができます。
試してみたところ、ダイナミックヘッドトラッキングには対応してませんでした。
関連記事:Apple Arcadeで新作ゲーム「Tetris Beat」を追加配信
以上です。
空間オーディオに対応した音楽は、今回の髭男を皮切りに、さらに充実してくるでしょう。
空間オーディオ/サラウンドに対応するサードパーティー製のアプリは、これまでにもありました。
動画配信サービスとゲームが対応したのは、今回がはじめての気がします。
今後は他の動画配信サービスも対応するだろうし、対応するゲームも増えてくるでしょう。
ゲームのサウンドは表現の幅が広がりそうですね。
ひとつ注意が必要なのは、映画・ドラマとApple Musicでは、同じ「空間オーディオ」でも性質が違うことです。
Apple TVアプリやNetflixで配信されいる映像作品の空間オーディオを楽しむには、AirPods ProまたはAirPods Maxが必要です。
「Tetris Beat」もこちらに含まれるようです。
いっぽうApple Musicの空間オーディオは、さまざまなヘッドフォン・イヤフォンやスピーカーで楽しめます。
iPhone内蔵スピーカーですら対応していることになっていますが、CMで謳われているような「上からも後ろからも」聞こえるように感じるのには無理があります。
空間オーディオのサウンドを存分に楽しむには、現状ではAirPods Maxがベストだと思われます。