【コラム】アップルのケースデザインガイドラインと、iPhone 5c/5s用純正ケースの矛盾

iPhone 5cとiPhone 5sのケース制作者向け寸法図面PDFが、新たに公開されました。
この図面集には、装着するケースがデバイスの機能を損なわないための、ガイドラインが記載されています。
タッチスクリーンやボタンの操作性はもちろん、電波受信感度や各種センサー、カメラ撮影に影響を与えないようにするための、指標が示されています。

図面のカメラレンズ周りには、開口部の推奨する大きさが示されています。
ケースが写真撮影に干渉しないように、下の図の斜線部分を開けておくことが推奨されています。

推奨開口部

iPhoneに初めてLEDフラッシュが搭載されたiPhone 4では、当初各ケースメーカーは、フラッシュがケースに反射するのを想定していませんでした。
レンズ・LEDフラッシュとぴったり同じ大きさに穴をあけたケースを使って、撮影した写真にケースの色が映り込む事案が、実際に起こりました。
現在流通しているほとんどのiPhoneケースでは対策されており、カメラとレンズ周りが大きく開けられているのはこのためで、黒い縁取りは光の反射を防ぐためです。

アップルが図面で示している「推奨する開口部」は、神経質なほど大きく開けられています。
Apple Storeで販売されているケースは、どれもこの指示に沿って作られています。
大きく開けると格好わるくなりますが、Apple Storeで扱うためには、アップルのガイドラインに沿う必要があるのでしょう。。
パワーサポートのエアジャケットに限っては、Apple Store用に穴を大きくしたものを別に作っています。
Incase Pro Snap Case for iPhone 5
▲ Apple Storeで販売されている「Incase Pro Snap Case for iPhone 5

ところが、アップルがiPhone 5cとiPhone 5s用に発表した純正ケースの穴は、推奨サイズよりも小さな作りでした。

Incase Pro Snap Case for iPhone 5

新しく公開されたiPhone 5c用・iPhone 5s用ケースのガイドラインを見ても、この開口部は推奨サイズに反しています。

アップル純正ケースの存在自体、ケースを販売するサードパーティにとって痛手です。
しかもアップル自身のガイドラインに沿っていないデザインなのを見て、世界中のケースメーカーが「そりゃないよジョニー」と思ったのではないでしょうか。

アップルはこれからも、Apple Storeで販売するサードーパーティー製ケースに、ガイドラインに従うように求めるでしょうか?

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