Apple仙台一番町が、2019年1月25日を最後に閉店してしまいました。
公式サイト上の情報も、閉店時間とほぼ同時に消されてしまいました。
ストア一覧 – Apple Store – Apple(日本)
札幌が閉店したときは、「移転のため」と発表していたためか、しばらく「閉店しました」というアナウンスが残っていました。
仙台一番町はToday at Appleのページも消え、現在はアプリの「Apple Store」とAppleマップ上に情報が残っているだけです。
閉店への反応をTwitterで見ていると、愛されていたストアだったことが、よくわかりました。
私も閉店前に訪問できてよかったです。
関連記事:【編集後記】閉店間近のApple仙台一番町を初訪問
私はたった一度だけの訪問で、ここで語れるほどの思い出はありません。
しかし仙台一番町のオープン前からこのサイトを運営し、さまざまな資料を持っています。
今回はそれらをもとに、同店の歴史を振り返って、記録として残しておこうと思います。
オープン
Apple仙台一番町は、「Apple Store仙台一番町」として、2005年11月29日にオープンしました。
Appleのニュースリリース:アップルストア仙台一番町、12月10日にオープン – Apple (日本)
日本国内では6店目のApple直営店でした。
翌年の2006年に札幌がオープンして以降は、2014年に表参道がオープンするまで、国内では8年間も7店舗体制が続くことになります。
オープン時には恒例のTシャツ配布が行われています。
PC Watchに、当時のレポート記事が残っています。
- アップルストア仙台一番町、10日の開店を前に店内を公開(2005年12月9日)
- アップルストア仙台一番町オープン(2005年12月10日)
オープン時に配信されたAppleのニュースメールを、下に貼っておきます。
2005年秋に、初代iPod nano、第5世代iPodが発売された直後のことでした。
限定グッズ
2008年には全国のApple Store店頭限定で、特別デザインのケースが発売されました。
ゴールデンウィークにはiPod nano用とiPod touch用、冬にはiPhone 3G用がリリースされました。
Apple仙台一番町では、伊達政宗像のデザインが採用されていました。
GWはアップルストア巡り? – 国内7店舗限定ご当地iPodケースが登場 | ライフ | マイコミジャーナル
関連記事:iPhone用ご当地”エアジャケット”Apple Store各店舗で限定発売 – iをありがとう
2012年の初売りで販売されたLucky Bag(福袋)には、Apple Storeの店舗別に異なるデザインの缶バッジが付いていました。
仙台一番町は、例によって伊達政宗騎馬像のデザインです。
関連記事:Apple StoreのLucky Bagに入っていた、全国7店舗の缶バッジのデザインまとめ
2014年には、Apple Store各店の地図を図案化した「kiriko エアージャケット for iPhone 5/5s」が発売されました。
もともとApple表参道のオープン記念グッズとして企画されたシリーズで、その後全店のデザインが制作されました。
これは店頭限定販売ではなく、オンラインでも購入できました。
関連記事:【新製品ニュース】全国8店舗のApple Storeの街並みを、切子の技法で表わしたiPhoneケース「kiriko エアージャケット for iPhone 5/5s」限定発売
Apple Store仙台一番町 → Apple仙台一番町に
2016年に米国カリフォルニアにオープンしたApple Union Squareを皮切りに、Apple Storeの店舗名から「Store」が取れるリニューアルが実施されます。
国内ストアの店舗名もさりげなく変更され、Apple Store仙台一番町は「Apple仙台一番町」になりました。
ちなみにApple Store札幌は、このリニューアル前に閉店したので、「Apple札幌」とはなりませんでした。
CEO来訪
2016年10月に、突然京都に現れたAppleのティム・クックCEO。
この来日では、任天堂や埼玉のカシュー株式会社、Apple表参道、Apple Payでの山手線乗車などを経て、Apple仙台一番町に来訪したようです。
Inspired by the Sendai spirit among our store team, as well as customers and local developers. pic.twitter.com/YKrgW6VzG4
— Tim Cook (@tim_cook) 2016年10月15日
CEOが訪問した国内ストアは、私の知る限り、銀座(ジョブズ氏)、表参道、仙台一番町の3店舗だけです。
3.11
同店の13年の歴史の中で、最大の出来事といえば、やはり2011年の東日本大震災でしょう。
震災発生以降、Apple仙台一番町は一か月におよび休業しています。
営業再開後もしばらくは、午後6時・7時までの短縮営業が行われました。
店頭では被災者のために、無料の修理・サポートと、無料インターネット/Wi-Fiサービスが提供されました。
当時Appleは、東日本大震災で被災したユーザを対象とした、無料の特別修理サービスを提供しました。
関連記事:アップル製品の被災地向け特別修理サービス – iをありがとう
店頭に持ち込まれた製品も、保証の有無に関わらず、無償で新品交換などが行われていたようです。
Apple仙台一番町店ありがとうございました。東日本大震災の津波でヘドロまみれになったiMacをダメ元で毛布に包んで持って行って修理可能か聞いたら「本部に確認するので少し預かる」って言われて1週間後「今回は特例で新品に交換します」って神対応一生忘れません。Apple Forever🙌 https://t.co/bQUkumdMs4
— 日出ずる国に生きる者-(改)- (@sinhinodenokuni) 2019年1月7日
仙台のApple Storeが1月25日で閉店するなんて残念だ。東日本大震災のときはiPhoneを特別に交換してもらったし、母にiPadとベガルタ仙台風のオレンジ色のカバーを買ってプレゼントしたのもここだった。修理や不具合の相談で父も私も何度か足を運んでとてもお世話になった。https://t.co/H4eHofHeYY
— Makoto Abe (@abemak) 2019年1月7日
震災では同店も相当な被害を受け、スタッフも被災したであろうことを考えると、そのまま廃業という道もあったでしょう。
しかし一か月で営業を再開し、今日まで地域のサポート窓口としての役割を担ってきたことは、本当に敬服します。
そして閉店
2019年1月7日。Apple仙台一番町閉店の第一報を伝えたのが、この「iをありがとう」です。
Apple Storeが大好きで、札幌の閉店で泣いている私が、仙台一番町の閉店にどれだけ心を痛めたか、わかっていただけるでしょうか。
関連記事:【ニュース】Apple仙台一番町が、1月25日で閉店 – iをありがとう
仙台・東北のAppleユーザ、Appleファンと同じように、悲しくて仕方ない思いでいます。
Appleは2018年4月のApple新宿以降、「5年間で複数の新店開業と既存店の大幅改装を行う」と表明しています。
米アップル、日本に再投資 店舗を人が集まる広場に :日本経済新聞
この中に、仙台や札幌の復活が含まれているのを祈っています。
Apple仙台一番町、13年間おつかれさまでした。
iPhoneで撮影し、Clipsアプリでメモリアルムービーに仕上げたので、終わりに貼っておきます。