iPhone 11シリーズ用の「Smart Battery Case」をレビューします。
Apple純正のバッテリーケースです。
iPhone 11用、11 Pro用、11 Pro Max用の3サイズが用意されています。
「カメラ」アプリケーションを素早く起動して、シャッターボタンとしても使える、専用カメラボタンを側面に搭載しています。
iPhoneと同じく、Lightningケーブルで再充電できるほか、ワイヤレス充電にも対応しています。
電池残量をiPhoneの画面で確認できる、独自機能を備えています。
このページではiPhone 11 Pro用を使って解説します。
▲ Appleの「Smart Battery Case」は、今回のiPhone 11シリーズ用で第4世代目にあたります。
- iPhone 6/6s用(2015年)
- iPhone 7用(2016年)
- iPhone XS用、XS Max用、XR用(2019年1月)
- iPhone 11用、11 Pro用、11 Pro Max用(2019年11月)
iPhone XS用、XS Max用、XR用からは、Smart Battery Case自体がワイヤレス充電に対応しました。
今回はさらに新しい機能として、カメラボタンが追加されました。
販売開始時は「Smart Battery Case with Wireless Charging」という名前でしたが、その後に従来と同じ「Smart Battery Case」に改められています。
▲ iPhone 11用は、ブラックとソフトホワイトの、2色のカラーバリエーションです。
iPhone 11 Pro用と11 Pro Max用は、ピンクサンドも加えた全3色です。
Apple純正の「シリコーンケース」(写真右)と同じ表面素材が使われています。
ボタンなどの仕上げも、シリコーンケースと同じです。
▲ 内側もシリコーンケースと同じで、マクロファイバー素材が貼られています。
▲ 内側にバッテリーのスペックが記載されています。
入力は5V~15V/3A、出力は8.7VV/0.7A、容量は1430mAhです。
日本で販売するモバイルバッテリーには必須となっている、PSEマークもちゃんと入っています。
▲ 薄い下側面の内側に、Lightningの端子が突き出ています。
iPhone 7用までは、下側面が厚い「アゴ」のあるデザインでした。
iPhone XS用からは、厚みのない「ベゼルレス」なデザインに改良されています。
Smart Battery Caseを充電する
▲ 安全のためか、バッテリー残量はかなり少ない状態で出荷されています。
購入直後は、再充電してから使う必要があります。
iPhoneに付属するLightningケーブルと電源アダプタを利用できます。
iPhone 11シリーズ用では新たに、USB‑PD対応の充電器を使うことで、高速充電ができるようになっています。
iPhone 11 Proに付属の18W電源アダプタを使うことで、はやく充電ができます。
Smart Battery Caseの残量ゼロから、Apple 5W電源アダプタと18W電源アダプタで、再充電の所要時間をはかってみました。
5W電源アダプタでは、開始1時間で38%、2時間で77%になり、満充電までは2時間50分を要しました。
18W電源アダプタでは、開始1時間で73%、1時間50分で満充電になりました。
80%までの充電なら、18Wの方が2倍くらい早く充電できる結果となりました。
▲ ワイヤレス充電器でも、Smart Battery Caseを充電できます。
残量ゼロから約2時間10分で、満充電になりました。
5W電源アダプタで有線接続よりも早いです。
iPhoneの7.5W高速充電対応のワイヤレス充電器を使っています。
▲ ワイヤレス充電パッドに載せる際には、iPhone本体と同じく、背面のAppleマークを合わせる必要があります。
背面に突き出た部分の中心を合わせて載せそうになりますが、これでは充電されません。
iPhoneと同じ位置にコイルがあるので、iPhoneに合わせて設計された、スタンド型充電器も利用できます。
iPhoneを充電する
▲ ケースの上部だけ、心材が入っておらず柔らかいです。
ここをくの字にに折り曲げて、上からiPhoneをスライドさせて収納します。
▲ スライドさせていくと、そのまま充電コネクタ(Lightning端子)が接続されます。
ボタン操作などが必要なく、自動でiPhoneへの充電が始まります。
▲ iPhone 11 Proのミッドナイトグリーンに装着したところ。
iPhone 11 Pro用Smart Battery Caseの重さは99gです。
iPhone本体(188g)と合わせると287gになります。
それなりにズッシリしますが、手にフィットする厚みと、滑りにくいシリコーン素材により、持ちやすいです。
▲ iPhoneの画面ロック中にSmart Battery Caseを接続すると、一瞬だけ両方のバッテリー残量が、並んで画面に表示されます。
▲ 接続中は、ウィジェットの「バッテリー」欄で、バッテリー残量や充電状況を確認できます。
▲ iPhoneのバッテリー残量ゼロでシャットダウンした状態から、Smart Battery Caseで充電してみました。
開始から1時間で、iPhoneが35%充電され、Smart Battery Caseの残量は53%になりました。
2時間ではiPhoneが69%、Smart Battery Caseが6%に。
開始から2時間10分で、iPhoneが73%充電されたところで、Smart Battery Caseが残量ゼロになりました。
メーカー公称値は“バッテリー駆動時間が最大50%長く”としていますが、その約1.5倍も充電することができました。
Smart Battery CaseとiPhoneを同時に充電する
▲ Smart Battery CaseとiPhoneを合体させたままで、両方を同時に充電できます。
その場合はiPhoneが優先され、iPhoneが十分に充電されてから、Smart Battery Caseが充電されます。
Smart Battery CaseとiPhoneの両方がバッテリー残量ゼロの状態で、18W電源アダプタとワイヤレス充電の2通りで、充電所要時間をはかってみました。
18W電源アダプタでは、開始から30分経過しiPhoneが約50%充電されてから、Smart Battery Caseが充電されはじめました。
そこからは両方が並行して、充電されていきます。
1時間経過したところで、iPhoneは82%、Smart Battery Caseは37%になりました。
はじめてから2時間10分で、両方が100%になりました。
2台を別々に充電するよりも、効率的に早く充電できる印象です。
▲ 一方で、両方がゼロの状態からワイヤレス充電器で充電するのは、かなり遅くなります。
ワイヤレス充電器からiPhoneへ直接給電する「パススルー」の仕掛けがないためか、この場合はSmart Battery Caseが先に充電されます。
開始から30分経過し、Smart Battery Caseが20%充電されてから、iPhoneの充電が始まりました。
そこからは、Smart Battery Caseの残量は増えず、iPhoneが充電されていきます。
開始から2時間で、iPhoneが53%、Smart Battery Caseが22%になりました。
3時間経過したとろで、iPhoneが85%、Smart Battery Caseが21%です。
開始から5時間で、iPhoneが100%、Smart Battery Caseが82%に。
両方が100%表示になるには、開始から5時間50分を要しました。
ワイヤレス充電は、熱を帯びると充電を停止する機能があります。
iPhoneとSmart Battery Caseの、ふたつ重ねたバッテリーを同時に充電するため、熱を帯びやすく、充電効率が落ちるのは仕方ないでしょう。
▲ とはいえ置いておくだけで充電されるワイヤレス充電器は便利です。
「Freedy Flex」のような2台同時充電対応のワイヤレス充電器を使えば、iPhoneとSmart Battery Caseを分けて、効率よく充電できます。
関連記事:【レビュー】Freedy Flex デュアルワイヤレス充電パッド ホワイトモデル:2台同時高速充電対応のワイヤレス充電器
カメラボタンについて
▲ iPhone 11シリーズ用のSmart Battery Caseでは、側面に「カメラボタン」が追加されました。
画面のロック中でも、他のアプリを使用中でも、このボタンを押すことでカメラが起動し、素早く撮影ができます。
誤作動防止のためか、短くカチッと押しただけでは反応せず、グッと押しこむようにする必要があります。
手探りでボタンを探しやすいように、少し凹んだ形状になっています。
▲ カメラアプリが立ちがったら、もう一度押すと、写真が撮影されます。
デジタルカメラのシャッターボタンのように扱えます。
長く押すとビデオ撮影になります。
押している間だけ録画され、指を離すと撮影終了になります。
公式サポート情報でも使い方が解説されています。
Smart Battery Case のカメラボタンで写真やビデオを撮る – Apple サポート
実験
▲ Smart Battery CaseのLightning端子を利用して、イヤホン・ヘッドホンなども接続できます。
Digital AVアダプタのような、映像出力ケーブルなども、そのまま使えます。
▲ iPhone 11 Pro用にiPhone Xを装着してみたところ、問題なく動作しました。
ただし底面のスピーカー・マイク穴は一致しません。
カメラボタンも動作します。
「QuickTake」機能のないiPhone Xでは、長押すするとビデオ撮影ではなく、バーストモードになりました。
▲ Smart Battery Caseと同等の機能を備えたモバイルバッテリー「Anker PowerCore+ 10000 Pro Portable Charger」も、同時に接続してみました。
iPhoneの「バッテリー」ウィジェットに、Smart Battery CaseとPowerCore+の、両方の残量が表示されました。
関連記事:【レビュー】Anker PowerCore+ 10000 Pro Portable Charger
まとめ
iPhoneと一体化できるので、ケーブルが邪魔にならないモバイルバッテリーです。
ワイヤレス充電も含めて、iPhoneと合体させたまま、あらゆる機能をそのまま使えます。
Apple純正シリコーンケースと同じクオリティで、握りやすく使いやすいです。
新しいカメラボタンも加わり、さらに便利になりました。
バッテリー容量を増やすだけではなく、カメラとしての使いやすさも向上する、iPhoneの機能を拡張してくれるアイテムです。
iPhone 11シリーズ用の「Smart Battery Case」は、以下のオンラインショップで購入できます。
価格は税込各16,280円(税別14,800円)です。
iPhone 11用
iPhone 11 Pro用
iPhone 11 Pro Max用