Beatsの「Solo Pro Wirelessノイズキャンセリングヘッドフォン」をレビューします。
ノイズキャンセリング機能を搭載した、Bluetoothワイヤレスヘッドホンです。
概要
Beats Solo Proの10の特徴
- オンイヤー(耳に乗せる)型のBluetoothワイヤレスヘッドホン
- Apple H1チップを搭載。ハンズフリーでSiriを呼び出せる「Hey Siri」に対応
- Apple製品とのペアリング・同期先の切り替えが簡単
- 充電端子はLightning
- ヘッドホンを折りたたむと電源オフ、開くと電源オン
- ノイズキャンセル機能を搭載
- AirPods Proと同じく、外部音取り込みモードも搭載
- 有線接続には、別売りの専用ケーブルが必要
- 全6色
- 税込32,780円(税別29,800円)
2019年10月に発売された製品です。
Beatsのオンイヤー型ヘッドホン「Solo」シリーズとしては、「Solo3」に続くものです。
Soloシリーズとしては、はじめてノイズキャンセリング機能を搭載しました。
AirPods(第2世代)やAirPods Pro、Powerbeats Proと同じくApple H1チップを採用し、ハンズフリーでSiriを呼び出せる「Hey Siri」に対応しています。
iPhone/iPad/iPod touch/Apple TV/Macと素早くペアリングでき、同期先の切り替えも簡単です。
▲ 以下の6色のカラーバリエーションです。
- ブラック
- アイボリー
- グレイ
- ダークブルー
- ライトブルー
- レッド
そのうち下の3色は、ファレル・ウィリアムスとのコラボレーションによる「More Matte Collection」に位置付けられています。
このページではアイボリーを使用しています。
▲ セット内容はヘッドホン本体と、キャリングケース、充電用のLightningケーブル、クイックスタートガイド、ステッカーです。
キャリングケース用のカラビナフックも付属しています。
▲ 従来のSoloシリーズと同様に、折りたたんでコンパクトにできます。
▲ 電源ボタンはありません。
カチッと広げると自動で電源オンになり、たたむとオフになります。
使うときに自動で電源が入り、使い終わってたためば切れるので、直感的に使えます。
電源オン/オフの必要がない、AirPodsやPowerBeats Proにも似た使い勝手になり、便利になりました。
▲ iPhoneなどの近くでオンにすると、画面にポップアップが表示され、簡単にペアリングができます。
これはAirPodsやBeats製品など、Apple W1チップ、H1チップを搭載したヘッドホンと同じです。
対応するApple製品と、同期先を切り替えるのも簡単です。
1台のデバイスに2組のヘッドホンを接続して、ふたりで同じ音楽を聴けるオーディオ共有機能にも対応しています。
関連記事:【豆知識】2組のAirPodsやBeatsヘッドホンで、ふたりで同じ音楽を聴けるオーディオ共有機能
▲ Beatsのオーバーヘッド型ヘッドホンとしては初めて、充電コネクタにLightningが採用されました。
黒いLightningケーブルが付属していますが、iPhoneと同じケーブルでも充電できます。
電源アダプタは付属していません。
▲ Solo Proのバッテリー残量は、iPhoneなどの「バッテリー」ウィジェットで確認できます。
充電しながら音楽を聴くこともできます。
1回の充電で、約22時間の連続再生ができます。
ノイズキャンセル機能をオフにした「省電力モード」なら、40時間再生できます。
急速充電技術「Fast Fuelテクノロジー」を搭載し、10分充電するだけで、3時間(省電力モードなら6時間)使えます。
▲ 従来のSoloシリーズにあった、有線接続用のステレオミニジャックが廃止されています。
有線接続するには、別売りのケーブルを、このLightning端子に接続して使います。
詳しくは後述します。
▲ 耳に当てるイヤーパッドは、やや硬めで、低反発クッションのような感触です。
耳の形にぴったりフィットして、遮音性が高まり、ノイズキャンセル機能も発揮されるのだと思われます。
▲ 金属のアームがスライドして、ヘッドバンドの長さ調節ができます。
伸ばしても製品のフォルムを崩さず、従来品より格好良くデザインされています。
▲ 右ユニット外側の円盤型パーツが、リモコンボタンになっています。
中央の「b」マークのあたりで、再生・一時停止やSiriの呼び出しができます。
ダブルクリックでスキップ、トリプルクリックで曲戻しなどの操作にも対応しています。
「b」マークの上下を押すと、音量調節ができます。
これらのボタンは操作時のコツコツという音が、耳障りに感じます。
従来のSolo2/Solo3などは、リモコンが左側でした。
従来品に慣れている場合は、違和感があるかもしれません。
▲ 左ユニットの下には、リスニングモードの切り替えボタンがあります。
押すたびに、「ノイズキャンセリング」と「外部音取り込み」が切り替わります。
ダブルクリックすると、機能がオフの省電力モードになります。
モード切り替えは、iOSデバイスのコントロールセンターでも行えます。
モードボタンを5秒間長押しすることで、手動でペアリングモードにすることもできます。
▲ フェルトのような質感のキャリングケースが付属しています。
クッション性のある素材が入っていて、Solo Proを保護しながら持ち運べます。
▲ ぴったり閉じる止水ファスナーが採用されています。
付属のカラビナを使って吊り下げられます。
▲ 従来のBeats SoloシリーズやStudioシリーズ(写真左)とは、ヒンジの構造が変わっています。
Solo Proは展開するときに、ここに手を当てていると、皮膚を挟んでしまいます。
私は何度か痛い思いをしました。
使用時には注意が必要です。
音楽を聴く
▲ iPhoneなどApple製品との接続のしやすさは、AirPodsと同じです。
前述のとおり電源ボタンが廃止され、電源オン/オフの状況もわかりやすくなり、使いやすくなりました。
▲ BeatsではSolo Proの発売に合わせて、ファレル・ウィリアムスらの選曲によるプレイリストをApple Musicで公開してます。
iPhoneとBluetooth接続して音楽を聴いてみます。
味付けのないフラットな音質で、どんな音楽でも自然で聴きやすいです。
歪みや雑味がなく、Bluetooth経由でも非常にクリアな印象を受けます。
Beatsは低音重視のイメージを持たれがちですが、それはかなり昔の話で、現在のラインナップは違います。
むしろロックやヒップホップなどで、重低音を期待すると、物足りなく感じるかもしれません。
イヤーパッドは耳の上に乗っかるオンイヤー型なので、長時間装着していると、痛くなってくることがあります。
ノイズキャンセリング機能
▲ Solo Proのノイズキャンセリング機能は、周囲の音に合わせて効果が調整される、「ピュアアダプティブノイズキャンセリング(Pure ANC)」とされています。
これは従来品のStudio3でも採用されていた方式です。
さらにSolo Proでは、AirPods Proと同じ外部音取り込みモードも搭載しています。
外部音取り込みモードは、外部の音をマイクで取り込んで、ヘッドホンを通して自然に聞かせてくれる機能です。
遮音性の低い開放型ヘッドホンのように、音楽と同時に外部の音も聞くことができます。
▲ ノイズキャンセリング機能のモードは、Solo Proのボタンのほかに、iPhoneのコントロールセンターでも切り替えられます。
電車内などでノイズキャンセルをオンにすると、ざわつきや騒音がスッと軽減され、音楽が聴きやすくなります。
車内のアナウンスなどは消されずに聞こえやすいので、そのように意図してチューニングされているのでしょう。
▲ 飛行機内でもノイズキャンセリングの効果を試してみました。
耳に当てた途端に、機内のゴーという騒音が和らぎます。
音楽を再生すれば、騒音はほぼ気にならなくなります。
ノイズキャンセリング効果は絶大で、音楽や映画を楽しみやすくなります。
音量を抑えられるので、聴力にも優しいです。
有線接続で音楽を聴く
▲ 従来の「Solo Wireless」「Studio Wireless」シリーズにはあった、有線接続用のステレオミニ端子が、Solo Proでは廃止されています。
有線接続には、充電用のLightning端子を使います。
Appleから発売されている、「Lightning – 3.5mmオーディオケーブル」(税込4,180円・税別3,800円)が必要です。
▲ 「Lightning – 3.5mmオーディオケーブル」は、一方がLightning端子、もう一方はステレオミニプラグです。
長さは1.2mで、カラーはAppe純正品としては珍しいブラックです。
▲ ヘッドホン端子のないiPhoneと接続するには、「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」も必要になります。
このケーブルをSolo Proに接続すると、その時点でSolo ProのBluetoothがオフになります。
ノイズキャンセリングのモード切り替えは、iPhoneの画面ではできず、Solo Proのボタンで行うことになります。
バッテリー残量も画面で確認できません。
Solo Proがバッテリー残量ゼロの場合は、有線接続でも使用できません。
たとえノイズキャンセリング機能を使わないとしても、有線接続時にもSolo Proのバッテリーを消費します。
有線接続時は、ハウジングのリモコン機能は使えなくなります。
▲ Solo Proの有線接続に使えるケーブルは、今のところApple純正の「Lightning – 3.5mmオーディオケーブル」に限られるようです。
同等の構造をした、Apple Storeでも販売されている「Belkin 3.5mm Audio Cable with Lightning Connector」を試してみましたが、認識されませんでした。
▲ 「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を使って、「Lightning – 3.5mmオーディオケーブル」を逆向きに接続しても、認識されません。
Lightning端子側を、Solo Proに接続する必要があります。
▲ オーディオケーブルの両端に「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を接続して試してみましたが、やはり使えませんでした。
▲ 「Lightning – 3.5mmオーディオケーブル」を接続するとBluetoothがオフになるので、ワイヤレス機器が禁止されている飛行機内でも使えます。
ノイズキャンセリング機能で、快適にコンテンツを楽しめます。
▲ 有線接続しながら、Solo Proを充電することはできません。
BelkinのLightning分岐アダプタも試してみたところ、充電はされるものの、有線でのオーディオ入力はされませんでした。
Solo3、Studio3、AirPods Proとの違い
▲ Soloシリーズの従来品「Solo3 Wireless」と比較してみます。
デザインはより洗練され、スタイリッシュになりました。
内蔵チップがApple W1からH1にアップグレードされ、Solo ProではHey Siriを使えます。
Solo Proの方が若干大きく、重たくなりました。
音質を比べてみると、Solo3の方が厚みがある、重たい音に聞こえます。
一方のSolo Proは、クリアでスッキリとした印象を受けます。
▲ Beatsのノイズキャンセリング・ワイヤレスヘッドホンの従来品Studio3 Wirelessとも比較してみます。
Studio3 WirelessもSolo3と同じく、旧世代のApple W1チップ搭載モデルです。
同じノイズキャンセリングヘッドホンでも、Solo Proは外部音取り込みモードを使えます。
音質の違いは、Solo3と同様の印象を受けました。
厚みのあるStudio3に比べて、Solo Proは全体的に軽やかに聞こえます。
Solo Proは耳に乗せるオンイヤー型、Studio3の方は耳を覆うオーバーイヤー型という違いがありますが、ノイズキャンセリングの効果には、はっきりとは違いを感じませんでした。
▲ Solo ProとAirPods Proは、ともにノイズキャンセリング機能搭載、外部音取り込みモード対応、Apple H1チップ内蔵という共通点があります。
Solo Proが税別29,800円、AirPods Proが税別27,800円と、価格帯も同じです。
オーバーヘッド型ヘッドホンと、完全ワイヤレスイヤホンというスタイルの違いがあり、音質の傾向も違うので、どちらが良いかは個人の好みによります。
ノイズキャンセリングの効果を飛行機内で比べてみると、AirPodsのイヤーチップでは騒音を防ぎきれないようで、静音性はSolo Proに軍配が上がりました。
まとめ
Beatsの小型・軽量ヘッドホン「Solo」シリーズに、はじめてノイズキャンセリング機能を加えた新モデルです。
ノイズキャンセリング機能は強力で、快適に音楽を聴けます。
外部音取り込みモードも搭載し、あらゆるシーンで使用できます。
Lightningでの充電や、電源オン/オフの自動化など、使い勝手も向上しています。
デザインはより洗練され、さらにかっこよくなりました。
あらゆる面で進化した、Proの名に恥じない製品です。
Beats Solo Pro Wirelessノイズキャンセリングヘッドフォンは、以下のオンラインショップで購入できます。
価格は税込32,780円(税別29,800円)です。