昨今の円安を受けて、App Storeで価格改定が10月5日に行われます。
公式サイトのアナウンス: AppおよびApp内課金の税金と価格の変更について – 最新ニュース – Apple Developer
これまで最低価格120円〜だったのが、160円〜になります。
価格帯により誤差はありますが、30%ぐらい値上げされることになります。
為替レートを反映した変更なので、「値上げひどい!」とAppleやデベロッパを責めるのはお門違いです。
7月にはApple Store/公式サイトの商品も値上げになりましたね。
App Storeのデジタルコンテンツの価格改定は、消費税率が引き上げられた2019年10月以来です。
App Storeの価格改定の歴史
App Storeは2008年7月にサービス開始し、14年もの歴史があります。
その間で何度か、円高・円安を反映して価格レートが修正されてきました。
Appleが「Tier 1」としている、米国では0.99ドルの最低価格帯で、日本での価格推移を紹介します。
サービス開始当初は、日本では「Tier 1」は115円でした。
3年後の2011年8月に、当時の円高を反映して、85円に引き下げられました。
これが史上最低価格となります。
その2年後の2013年10月に、今度は円安により100円に値上げしています。
1年半後の2015年4月に、もう一度円安による改定が行われ、120円になりました。
2019年10月には、日本国内の消費税率の引き上げによる改定が行われました。
このときは「Tier 1」の120円は据え置かれましたが、240円→250円、360円→370円と、小幅な値上げがされています。
今回の価格改定の影響は? 実は値上がりしないことも
今回は過去最大の変動幅で、過去最高価格となります。
120円だったものが160円になるのはツラいですよね。
約30%の値上げで、高額なものほど変動が大きくなります。
例えばAppleの「Final Cut Pro X」は、現在は36,800円ですが、改定後は48,800円と、12,000円もアップします。
私はこの機会にFinal Cut Pro Xを買っておきました。
辞書アプリなど日本国内むけのものは、Appleのレートをそのまま適用せず、国内向けの適正価格に据え置かれる場合があります。
たとえば現在2,080円のアプリは、そのままだと価格改定後は2,800円になります。
こういう場合は開発会社が、従来の販売価格に近いところまで下げる(今回なら2,000円または2,200円)ことが、これまでの価格改定ではありました。
一例として2015年4月のApp Storeの価格改定時に、物書堂が辞書の価格を据え置いたことを挙げておきます。
2015年4月3日にApp Storeの価格表が改定され製品価格が上がりましたが、物書堂のアプリは従来の価格に戻しました。ただし従来の価格が価格表に無いものについては価格を変更いたしました。また出版社様と調整によってさらに変更する可能性もありますのでご注意ください。
(物書堂 公式サイトのアナウンス「App Store 価格表改定に伴う製品価格の変更について」より)
「ウマ娘 プリティーダービー」のアプリ内課金で購入する「ジュエル」は、App Storeの価格改定後も「単価」がそれほど変わらないように配慮されています。
これまで120円・50個だったものは、160円・60個になります。
1,500個を購入する場合は、これまでは3,060円だったのが、3,000円になり、むしろ安くなります。
詳しくは公式サイトでアナウンスされています。
公式サイト:【重要】ジュエル価格改定のお知らせ | ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames
Apple MusicやiCloud+の料金はどうなる?
今回の値上げは、『自動更新サブスクリプションを除く』とアナウンスされています。
これはApp Storeでアプリを公開・販売している、デベロッパ向けの案内です。
Apple自身が提供している、Apple MusicやiCloud+などは、もしかしたら価格が変わるかもしれません。
アプリ内課金のサブスク料金も、ずっと据え置きとはいかない気がします。
今回の改定が、映画や音楽、ブックにまでおよぶのかは、まだわかりません。
App Storeよりも長い歴史をもつ、iTunes/Apple TVの映画購入・レンタルの価格は、過去に一度だけ、2019年の消費税率アップのときに変更されました。